ノロウイルスとは? |
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身近な人がノロウイルスに感染したら |
食中毒の原因としてのノロウイルス |
ノロウイルスは今から約40年前にアメリカで発見されました。
1990年ごろ遺伝子検査により多くの食中毒にノロウイルスが関係
していることがわかるようになりました。2002年にノロウイルスと
命名され、翌年日本では食品衛生法によりノロウイルスという記載が
なされるようになりました。決して新しい殺人ウイルスではありません。
ノロウイルスというと、集団食中毒を思い浮かべる方が多い
と思います。2004年を例に取ると、集団食中毒の原因として、
発生件数ではノロウイルスは2位(17%)ですが、発生患者数
ではノロウイルスが第1位(45%)です。
ノロウイルス感染症は、例年11月ごろから乳幼児を中心に
増加し始め、12月、1月をピークとしています。平成12年からの
統計ですが、毎年の様にノロウイルスの食中毒が多数発生しています。
死にいたることは稀で、高齢者施設に入所している人の場合でも、
死亡率は0.15%程度とされています。重症化は、嘔吐物による窒息や
嚥下性肺炎や脱水によることが多いといわれています。
感染経路には、@ノロウイルスに汚染されたカキなどの二枚貝を
摂取した場合、A食品を取り扱う人によってノロウイルスに汚染
された食品または飲料水を摂取した場合、Bノロウイルスを含む便や
吐物が食品以外の物に付着して、そこから口に入った場合があります。
ノロウイルスというと食中毒というイメージが強いのですが、
食物が関係しているのは、全体の10〜40%(@、A)、残りの
60〜90%は、食中毒ではないBのルートです。ノロウイルスによる
集団食中毒の原因食材としてカキは有名ですが、カキが原因食材として
特定されることは年々減少しています。現在では、カキの関係して
いない食材による集団食中毒が多いことがわかっています。
ノロウイルスの感染予防のためにはうがいや手洗いをこまめにしましょう。
調理時には、加熱後のものを素手で触らないようにします。お浸しなどを
絞るときにも素手でしないほうが無難です。調理器具は他の食材を扱うときには、
その度に洗浄消毒をすること、二枚貝などを加熱するときには身が少し縮む位に
加熱することが大切です。
吐物を処理するときには、窓を開け換気をして、手袋、マスク、
エプロンをつけます。ペーパータオルや新聞紙等で汚物をふき取り、
ふき取ったペーパータオル等は市販の次亜塩素酸ナトリウム溶液
(1000ppmに希釈したもの)に5-10分浸します。次に、
次亜塩素酸ナトリウム溶液(200〜1000ppmに希釈したもの)で
浸すように拭きます。使った手袋、マスク、エプロン、汚物は
すべてビニール袋に入れて口を縛って捨てましょう。汚物の付着した
リネンや下着類は、1000ppmに30分浸漬すると良いとされています。
その他、手を介してノロウイルスが拡散することが多いので、
手の触れる箇所(ドアノブ、手すり、水道の蛇口、家具、玩具など)も
200ppmの次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒しましょう。なお、
次亜塩素酸によって金属が変色したり、カーペットや衣類が漂白されたり
するので、濃度についてはケースバイケースで対処してください。