北海道田舎の生活おもしろ情報
−道外出身者の目線で見た北海道の田舎の話―
   

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冠婚葬祭土地柄の違い 地震・津波体験地域 鹿にご注意! クマに会ったらどうする?
これがお赤飯!? 氷点下の日々 雪だるまにならない雪 クーラーのいらない夏
はやく春よ来い!・・桜前線最東端 ゴキブリはいないがねずみに注意 信号がない 隣が遠い
コンビニ・自販機がない

冠婚葬祭土地柄の違い

 北海道と本州とでは、冠婚葬祭に於いてかなりの違いがあり、移住当初に最も戸惑ったように思います。結婚については、会費制が9割を超え、その会費で結婚式全般と新婚旅行経費をまかなうので、貯蓄がまったくなくても結婚式をする事は可能です。

 葬儀も同様、香典で全てをまかない進行は親族ではなく地域の人でとりしきるので、貯蓄が無くとも安心して死ねます(?)。けっこう合理的だと感心したものです。又、お祝いやお見舞いには本州と同じく半返しとなりますが、そのお返しには短冊がついてきてそれを家の居間など誰でも見える場所に貼っておく所がちょっと違いますね。

地震・津波体験地域

 私達が北海道に来てから、震度6の地震が3回ありました。もっと過去には津波も来て死亡者もでているそうです。海沿いの町営住宅に住んでいた頃、釧路沖地震はやって来ました。ものすごい揺れとともに、停電し、灯油ストーブは部屋の隅から真ん中に移動し、ストーブの上にのせていたやかんはひっくりがえり、夕食の調理で使ったてんぷら油もひっくりがえり、電子レンジは床に落ち、本棚も食器棚もみな倒れました。お風呂に入ろうと湯をはっていたのですが、空っぽになっていました。

 どうしてよいやらわからないまま、下の階の人を訪ねてみると、津波が来るかもしれないから逃げようといいます。その時気づいたのですが、みんなは非常持ち出し品や携帯ラジオをしっかり持っていて、手ぶらなのはも〜ちゃんだけだったのです。

 過去に津波がきたとき以来、避難訓練が毎年行われ、この訓練への参加率はものすごく良く、ほとんどの住民が参加している事を、そのあとにあった訓練で知りました。みんな枕元にいつでも逃げられるように準備しているといいます。

 も〜ちゃんは町職員だったので、津波の心配がないとわかった後、役場に出勤(役場の職員は警報発令とともに出勤する事になっていました)し、みんなで手分けして独居高齢者の家などの安否確認などをしました。

鹿にご注意!

 ここ道東では、鹿が道路を横断する事が多く、たいがいの人は、1度は鹿にぶつかった経験があるという。い〜ちゃんは1度鹿にぶつかり修理に90万円ほどかかりました。鹿はなぜか道路に出てきて車に気がついた時には立ち止まってしまうのです。

 また、1日に何本も走っていない汽車がよく遅れますが、その原因のほとんどは列車が鹿にぶつかってその処理をするためであるということです。汽車を利用する事はめったにありませんが、1度だけドン!と何かにぶつかる感じがしたと思ったら、列車が停車し「ただいま鹿にぶつかりました。処理のためしばらく停車いたします。」とのアナウンスの後、列車の運転手さん(職員は運転手さんのみ)が1人で軍手をはいて鹿をどけにいくのを見て(子どもが一緒だったので手伝いませんでしたが、何人かの乗車していた男の人が手伝っていたようです)、大変だなーと思いました。鹿はひかれて列車の下に入ってしまっていたらしく15分ほど停車していた後、汗だくの運転手さんによって発車しました。

 本当に道東では鹿にご注意。ついでに鹿を追いかけるハンターにも注意した方がいいですよ。特に地元の人でないハンターの人の中にマナーの悪い人がいるらしく、ルールを守らず民家のすぐ近くで発砲する人もいて、歩いて学校に通い、家の近くの畑で遊ぶ子ども達に当たらないかとひやひやします。ハンターの人はマナーを守ってくださーい!

クマに会ったらどうするか?

 このあたりでは1年に1度くらい“クマが出た騒ぎ”が起きます。山菜や山ぶどうやきのことりをしている時にはちあわせしたり、自分の所有地に出没したり、たまにはそばの道路に仁王立ちすることだってあるんです。保育所の横で出くわした人もいるそうです。でもこう書いている私はクマには会った事がありません。クマには会わなくてもいいなぁ。だから山菜や山ぶどうやきのこを採りにいくときは、犬を連れて行ったり、ラジオをガンガン鳴らしながらいったり、1人では行かないでお互いに大きな声でしゃべりあいながら行ったりします。いちど、近所の人から電話があり、小学校2年生のかーきちの後ろをクマが横断したから迎えに行って・・と。当のかーきちは全く気付かづに歩いていました。ほっ。ちなみに、子どもたちはクマ鈴を付けて登校し、かーきちのランドセルのクマ鈴も鳴っていたので、クマは、かーきちが、通過するのを待って横断してくれたのかもしれません・・?

 いざクマに出くわしたらどうしようー・・・? いまだに心の準備はできてないのがホントの気もち。

 こんな本もあります。
 →「クマにあったらどうするか―アイヌ民族最後の狩人 姉崎等―」
   片山龍峯 聞き書き 木楽舎出版 ISBN: 4907818149

これがお赤飯!?

 地方によって食べ物は、いろいろと違いますね。お雑煮などは、関西にいた頃は味噌仕立てでしたが、北海道はしょうゆ仕立て。また本州で言う唐揚げは、北海道ではザンギと言い、少し味付けも違います。

 けれど何より1番びっくりしたのが赤飯。本州の赤飯はと言えば、小豆を15分ほど煮てその煮汁に、といだもち米を浸水させ、小豆ともち米を一緒に蒸すと(蒸している途中で小豆の煮汁を上からまわしかける)うっすら小豆色をした赤飯ができ上がります。

 ところが北海道では、まず、もち米をといで、浸水する時に食紅を入れてピンク色にするのです〜。そのもち米を蒸して甘納豆を混ぜると、ピンク色の赤飯ができ上がります。どこの家にお邪魔しても、赤飯といえば後者でした。うーん。これが赤飯!?

氷点下の日々

 朝の最低気温が−27度、昼の最高気温が−10度という日がやってきました。北海道では12月から2月ぐらいは、日中も氷点下の日々となります。つまり外では何でも凍ってしまうのです。風呂上りに外をうろうろすると、ぬれた髪の毛はバリバリになり、ぬれたタオルをびゅんびゅんふっているとカチンコチンの棒に変化するんですよ〜。

雪だるまにならない雪

 本州で暮らしていた頃、たまに雪が降ると、おおはしゃぎして、雪だるまを作ったり雪合戦をしたものですが、こちらに来て同じ様にしてみてもうまくいきません。乾燥しているのと、気温が低いのとで氷の結晶がしっかりしているせいかしら・・・。とにかく手の中で雪をにぎってみても、手をひらいたとたんハラハラと雪がこぼれ落ちてしまいます。なんと雪だるまを作るには、水やお湯をかけながら固めていくのです〜。

クーラーのいらない夏

 北海道の夏は本当に短い。7月・8月でもここ道東では最高気温が25度を超える日はほとんどありません。冷夏の年は、気温が20度を超えることもあまりなくて・・・。そんな訳で、網戸があれば十分暮らしていけるし、逆に夏とは言っても日没後は急速に気温が下がり、網戸も閉めます。北海道に来て1番よかったなーと思っているのは、クーラーなしで暮らしていける事かもしれません。

 

はやく春よ来い!・・桜前線最東端

 3・4月は暦の上では春ですが、ここ北海道では、春というには程遠く、“彼岸荒れ”と言われるように大吹雪になることもあります。それで卒業式や入学式が延期になった事だってあるのです。5月になっても雪が降るときもあり、平成14年には6月28日に霜が降りました・・。当然、さくらの開花も遅く、早くても5月中旬、遅ければ6月に咲いた事だってあります。

ゴキブリはいないがねずみに注意

 北海道に来て以来、うれしい事の1つが、“ゴキブリに会わない”という事です。最近は札幌などで出ることもあるそうですが、こちらにきてからごきぶりさんに会った事がありません。

 ただ、北海道には“えぞやちねずみ”という小型のねずみが、家周辺に多くいて、気温が氷点下に下がる頃になると、ちょっとした隙間から、家の中に入ってきたりする。お風呂の排水溝の隙間のような、わずか1cm足らずの隙間から、にゅ〜っとからだを伸ばして入ってきたところを目撃したこともあります。どこかからか屋根裏などに入ってくると音がうるさくていやになることも。人間が家の中に入ろうとドアを開けたときに、ササッと入り込むねずみを目撃した事もありますが、とてもすばしこい!!ですから、子どもがドアを開けっ放しになんてしてしまったら大変な事になります!!

 もしねずみが家に入ってきたら、とにかくガサゴソとうるさいのですぐわかります。そこで、ゴキブリホイホイみたいなものを、通り道に置いておくと、ちいさなちいさな眼がクリッとしたねずみがかかっちゃいます。ちょっとかわいそうだなぁ・・こんな小さなやつがあんなうるさい音を立ててたんだぁ・・などと。

 ちなみにい〜ちゃんはねずみが大嫌い。見つけたものなら大騒ぎ。もちろんねずみの処理は全部素の役目。ねずみをとってもらうために、家の中で猫を飼っている人が多く、これは効果的らしいのですが、い〜ちゃんはひどい猫アレルギーなのでこれもダメ。

 それでも、ここ2〜3年、予防策が功を奏したのかねずみ騒ぎからは開放されています。

信号がない

 うちから釧路に向かって国道を50キロほどいくと、人口22000人ちょっとの釧路町の市街に入りますが、そこまでの間に信号はたったの4箇所でうまくすると50キロノンストップでいけるのです♪また渋滞とは無縁の生活で、だいたい車では1分で1キロくらい走れます。

隣が遠い

 うちはこの地域では繁華街(?)と言えますが、それでも1番近い家まで500メートルくらいあります。勿論となりの家の音など全く聞こえないですし、こちらも子どもが、ぎゃーぎゃー兄弟げんかをしていても、危なくない限り、涼しい顔をして傍観していられるので気が楽です。そういう訳で、うちはみんな声がでかい。マンション暮らしの人が遊びに来ると、相手はこちらの声の大きさに驚き、こちらは蚊の鳴くような声で話す相手に驚くわけです。

 でもこんなに遠くても近所の人が野菜などを片手に歩いて尋ねてきてくれたり、うちに見慣れない車が止まっていて遅くまで起きていると、“誰がきたの?夜更かししてたねぇ”などと尋ねられるから、近所の人は意外に目ざとい。

コンビニ・自販機がない

 最寄の自販機まで8キロ、最寄のコンビニまで20キロ。つまり子どもが自転車で移動するのであれば、行こうという気にはとてもならない。親にとっては平和な環境?





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