峯刃増



峯刃増 ふじんぞう   多くの剣の刃が迫っている。

1.刀刃路 刀刃を仰向けに布いて以て大道となす。有情はここに遊ぶにわずかに足を下ろす時に、皮と肉と血は供に断え、砕け落ちる。足を上げれば亦元に戻る事のくりかえし。

2.剣葉林 林の木の葉は専ら鋭利なる剣を以て葉となせり。有情が彼処に遊ぶに風が吹きて葉を落とすに肢体を斬り刺し、骨肉が零落す。黒斑の犬があり、噛み付き是を喰らう。

3.鉄刺林 鋭利なる鉄の剣あり、長きこと十六指(三尺二寸)なり。有情が狭められて木に上下する時にその棘の切っ先が上下して突き刺す。鉄の嘴のある鳥がいて眼晴心肝を探り啄んで争いて喰らう。

以上三種は内容が似ているので峯刃増一つとして扱われている。