江戸期の年中行事の覚え書きより、 (この他にも行事は多数ありましたが・・食べる事はやはり大事な事でした・・)

一月
元日手掛、米、松、譲葉、黒豆、くしがき、みかん、くるみ、こんぶ、ほんだわら、かやの実、汁(焼豆腐)
朝雑煮餅 焼どうふ、せり、黒のり、皿(大こん、にんじん) 香のもの
銚子 屠蘇(盃台三つ組盃) 重(牛蒡、煮豆)
膳後若水 年富袴着用
両社人年礼 酒肴(三ばいす、ふきのとうのきざみかけ) 重(長いも、わらび、にんじん、こんにゃく、焼きどうふ)
吸物(あぶらげ豆腐、わらび)
村方年礼 盃指出候 銚子(屠蘇酒、八寸杯台盃五つ) 肴煮豆汁 銘々へ手掛指出候事
時堂参両社人同道
三日元日より三日間夕七つ時堂参 祝米二升(三宝に盛年番之社人に出す、堂参銘々寺中へ参る、酒を出す)
四日村方年礼早朝出座、茶袋、或いは箸之類牛王印持参、寺田岡山両村へ使僧不罷出候
右の節雇の者へ掛合振舞半紙二帖づつ出す
朝は納豆汁、夕飯けんちん汁、猪口納豆、濁酒を出す
六日御家中町方寺院御給人とも代僧にて年礼、昼飯は荒町勧行院
七日七種祝儀 粥(七種入、もち入) 皿(だいこん、にんじん) 香のもの
堂参 両社人、神子、但し何も不出候事
十一日御祈祷御札上げ、大根五本、牛蒡三把相添える
蔵開 冷酒 肴は煎豆、牛蒡、こんぶ、但年□袴着用の事
十四日年越 夕飯 皿(大こん、にんじん) 汁、とろろ、平(油揚げ豆ふ、猪口納豆、こんぶ)
十六日村方念仏講 護摩修行 重(焼豆腐、いも、わらび、塩茄子、にんじん) 丼(牛蒡よごし) 鉢(大根漬、菜漬)
吸物(豆腐) 濁酒(酒台二重づつ)
堀東周老年礼の節雑煮吸物を出す 先例
二月
十一日御獅子之節 玄関にて舞 院主出座 米二升八寸盛 扇子箱
清酒を出す、下口は濁酒 包米三勺 重(やきどうふ、塩茄子、こんにゃく、塩わらび、塩うど)
十七日御祭礼 観音堂前掃除並両社人神子より人足出す、惣体掃除村方にて候事、堂門に幕打、護摩堂へも見合幕打、
祝米二升八寸盛、年番の社人に出す
十八日朝五つ時両社人神子に振舞 膳 ふかし、平、丼、重、酒
五月 早苗振後屋根萱普請 但萱運び村方人足、葺師棟梁八日町全八、仕舞の節に箸包み出す
 当月頃飛島村より祈祷来る勧請六枚出す 但し肝煎長太夫に箸包み出す
七月六日早朝より両社人神子三人観音堂庭通等掃除のこと
九、十日墓所庄附致すこと
十三日八つ時至惣墓所開山塚へ院主参詣
十四日施餓鬼に付村方之者参詣朝飯を出す、飯後一山一族開山塚に参詣
但今日の振舞村方より其の品々持参之者参り世話致し候事
九月二日今日より国家安全之御祈祷修行、同八日結願、同十一日諸献上物指上候 但し持人寺より指出之事定式
十月一日今日村方へ年貢触書
二日開山忌に付両社人肝煎相招候但朝振舞後御墓参詣の事
皿(大こん、にんじん)汁(さいの目の豆腐、青菜)坪(いも子、あずき)平(油揚豆腐、にんじん)
香のもの 猪口(納豆おろし)鉢(あぶらいり、あらめ、くじかけ)小鉢(きく、からとりびたし)
重(わらび いもがしら、こんにゃく、にんじん、焼どうふ)大根山椒かけ 酒
十二月十三日今日煤払諸儀 平茶□豆腐、汁見合
十七日観音御歳夜、中坂へ松飾
餅搗御備大一小六、此の外本堂、聖天、開山その外の神々へ
右に付両社人神子へ七つ時餅振舞酒飯後堂参護摩修行
二十六日仏具磨き 并明年檀中年忌書張候事
二十七日餅搗祝儀 糯三斗その日餅不振舞