平成4年(1992) 仁王門再建・仁王像修復が出来ました。 当時の私は寺の実務に就いていなく断片的に覚えているだけですが、 檀家諸氏は勿論、色々な方にお世話になり中でも忘れられないのが 学生時代のクラブでの友人「越塚勝也師」と 上野の老舗仏具店「翠雲堂」で仁王尊を修理をして頂いた「大森昭夫氏」です。
大森氏は鶴岡の出身で、 幼い時から彫刻を遊びとして育ちました。 経略は省きますが、現在は鎌倉市に在住 仏師として制作、或いは文化財修理などで 活躍されています。 巨大な十一面観音で有名な長谷寺の 美術顧問でもあります。
天平、藤原、鎌倉初期、日本彫刻史上すばらしい作品が残る時代の 「日本の仏像」の流れを継承している正当派です。 彼が造る仏像の破綻がないプロポーションと端正な顔立ちは誰の目にも美しいと感じられるでしょう。