十二神将
元々は 十二神将は十二夜叉大将ともいい、いずれも天衣(てんね)甲冑をつけた武将の姿で現される。
それぞれ七千、総計8万4千の眷属夜叉を率いて薬師如来を信仰するものを守る。
経典は「薬師瑠璃光如来本願功徳経」に薬師如来の名号を唱える者を守護すると約束されている。
武器を持った甲冑姿で持ち物、十二支、お姿は必ずしも一定していない。
頭上に十二支の動物を乗せる。薬師三尊を囲んで八方方位と十二支に配される。
功徳は 薬師如来を信仰するものを守る
病気平癒・身体健全・除病延寿・災難除去・現世利益
子 宮毘羅大将 クビラ 第十二願 美衣満足 | 太刀を持つ すべての人々に衣服を与え、心慰めるものを与えて満足させる。 満足する衣類を得て健全な精神を宿らせる。 衣類のない者にも必要な衣服や装身具を施すという願い。 宮毘羅大将は一般には金比羅(こんぴら)大権現で知られている。 | |
丑 伐折羅大将 バサラ 第十一願 飲食安楽 |
宝剣を持つ。 又は 宝剣。 すべての人々が飢えや渇きに苦しむことがないようにする。 食事に関する苦悩を除き健全な食を与える 飢えのために諸々の悪事をなそうとする者にも香味の食をもって飽食せしむ。 | |
寅 迷企羅大将 メキラ 第十願 苦悩解脱 | 独鈷を持つ。又は 宝棒。 人々の苦悩や災難をことごとく消滅させる。 国法による災いなどの災難や苦痛から解放する。 | |
卯 底羅大将 アンテラ 第九願 安立正見 | 太刀を持つ。 すべての人々をさとりの妨げをなす魔から救い、 菩薩の修行を修習させて完全なさとりに到達させる。 心中の邪悪な感情を除き健全な精神を得る。 | |
辰 額爾羅大将 アニラ 第八願 転女得仏 | 矢を持つ。 女であることによって起こる修行上の不利な点を取り除く。 女性的な優しさだけでなく力と勇気を得る。 | |
巳 珊底羅大将 サンテラ 第七願 除病安楽 | 法螺貝を持つ。
人々の病気を完治し、心身に安楽を与える。 すべての人々の病を除き窮乏から救う。 病苦をのぞき心身ともに安楽にするという願い。 | |
午 因達羅大将 インダラ 第六願 諸根具足 | 鉾を持つ。
迷いを生ずる原因をことごとく消滅させる。 身体障害等の病苦にある衆生も、 看護・医薬から見放されて親族・家族もない貧窮多苦の衆生も、 すべての人々の身体上の障害を無くす。 | |
未 波夷羅大将 ハイラ 第五願 具戒清浄 | 弓矢を持つ。 人々の日々精進させるとともに善行を促す。 すべての人々に戒律を保たせる。 | |
申 | 斧を持つ。 すべての人々を大乗仏教の正しい教えに導く。 人々の悟りを確立させ、永遠のものにする 異端の道を行ずる者を菩薩道に導くという願い | |
酉 | 斧を持つ。 人々の願いを叶え、満ち足りた環境に導く。 すべての人々が必要なものを手に入れることができるようにする。 無量無辺の智恵をもって衆生に無尽の施しをして豊かにするという願い | |
戌 招杜羅大将 ショウトラ 第二願 随意成弁 | 太刀を持つ。 すべての人々を明るく照らし、人々が善い行いをできるようにする。 威徳と人徳により人々を悟りの境地に導く。 瑠璃のように清浄で傷や汚れがなく暗闇を照らし、 衆生の意の赴く所にしたがって諸々の事業を成就させるという願い。 | |
亥 毘羯羅大将 ビカラ 第一願 光明普照 | 三鈷を持つ。 自らの光明は極めて盛んに無量無辺のすべての人々を照らし、 一切の衆生も自分と同じように悟らせ給え。 人々が善い行いをできるようにする。 |