靄山もややま(もうひとつの岩木山)


 
 靄山は正三角形の形をした山のため、安藤(東)氏が土盛りをしてつくった山という伝説がある。この山のほぼ真南を直線的に岩木山と結べば、そこに十三湊と浜の明神がぴったり存在する。まさに、岩木山に向かい合うようにそびえている。その姿はコピーといっても過言ではない。かつて安藤(東)氏が大陸と貿易を盛んに行っていた時代、海上から十三湊を標したものとも、また、ピラミット説も多くある。
 学者の意見も二分しており、人造か自然かという論争が収束することはしばらくないと思う。しかし、山の7合目あたりまで「海砂」が厚くあり、自然の力が有ったとしてもあの斜度を吹き上げる力は無いと思われ、現実に周囲の山はそのような現象は殆どない。当時の安藤(東)氏であれば可能な気がする。
 最近、十三湊の町屋跡の発掘が進み、その規模から安東氏の住居とされる遺跡が見つかった。その場所(旧十三小学校付近)に立って驚いたことは、靄山も岩木山もその場所から同じ形で、同じくらいの大きさに見えることだ。

《所在地》   青森県北津軽郡市浦村脇元・磯松