≪メッセージの要旨≫ 2014年 11月 16日 福祉村サンデー
『生きた供えもの』 説教 : 武井 陽一 兄
~豊かな大地に守られながら、一人ひとりに寄り添う~
聖書 : テサロニケの信徒への手紙Ⅰ 3章 9~10節
ローマの信徒への手紙 12章 1~ 2節
第1テサロニケの信徒への手紙3章9~10節
わたしたちは、神の御前で、あなたがたのことで喜びにあふれています。
この喜びに対して、どのような感謝を神に献げたらよいでしょうか。
顔を合わせて、あなたがたの信仰に必要なものを補いたいと、夜も昼も切に祈っています。
ローマ信徒への手紙12章1~2節
こういうわけで、兄弟たち、神の憐れみによってあなたがたに勧めます。
自分の体を神に喜ばれる聖なる生ける いけにえ(供えもの)として献げなさい。
これこそ、あなたがたのなすべき(理性にかなう霊的な)礼拝です。
あなたがたはこの世に倣って(同調して)(conform)はなりません(not)。
(but)むしろ、心を新たにして自分を変えて(transform)いただき、
何が神の御心であるか、何が善いことで、神に喜ばれ、また完全なことであるかをわきまえるようになりなさい。
〇 ローマ書の構成
第1部 1~11章
1~8章 福音的教義
1~7章 信仰的義認 ロマ3・23~24 4・5 5・1 神の恵み 信仰によって無償で 義とされた
8章 御霊による導き うめき 待望 執り成し 勝ち得て余りある
9~11章 異邦人キリスト者 の救い 同胞ユダヤ人の救い 全人類の救いの希望 主の深い救いの計らい
第2部 12章~ 実践的道徳
12章1~2節 その総論の言葉 ⇒ 12章3~14章~ 各論 ①謙遜たれ(つつしみ深く)➁愛せよ
〇 σώμα (ソーマ)からだ
(精神から区別され肉体と言う意味ではなく) 身体性における自己の全存在 という趣旨
霊(プネゥマ)も 魂〔プシケー〕も体(ソーマ)も! Ⅰテサロニケ5・23 キリストの体(Ⅰコリ12・27)
〇 神の生きた聖なる喜ばれる(受容可能な 受けいれられる)供え物
いけにえ (捧げられた犠牲) 供え物 レビ記よる祭儀用語
イエス以前 神殿に多くの膨大な動物の犠牲 : それほどに人間一人一人の罪は重い
⇒ イエスご自身が いけにえ 犠牲の供え物として 人々の罪を 負われた!
1回限りの犠牲により もはや 動物を捧げる必要がない。 (←ヘブライ人への手紙)
そのかわりに あなたの体自身も 霊も魂も 死んでいない 生ける体全体を
神に喜ばれる 生きた聖なる 供え物として 捧げるように勧められる
・私たちも、いつも兄弟たちと顔をあわせて礼拝にあずかることがゆるされているわけではありません。
病を負い、年を重ねる中で、独り神を仰がざるをえなくなる事があります。 遠く離れて苦闘されている兄弟もいます。
施設や牧場の働きを日々荷なっている兄弟たちのことも覚えます。
聖日ごとに教会に出席できないが、
日々自分の体を神に喜ばれる聖なるいけにえとして捧げ、神に礼拝している(ロマ書12章1節)兄弟たちに心より感謝し、
共に喜び、祈りあいつつ歩みたいと願っています。(日本福音ルーテル教会『女性会連盟会報』巻頭言2013年4月)
・なすべき礼拝とは?:教会で礼拝すること以上に、
自分のからだを神に喜ばれる、生きた、聖なる供えものとして捧げ、
日々継続的に与えられている仕事、生活を通して、今、共にいる人びとの交わりの中で仕えること
この世の慣習、流行などに同調することなく、天に国籍をもつ者として変えられ、地で出会う方々に仕える事!
医療・福祉を実践するため、外にも意識して目をむけていくことの大切さも含む!(福島原発事故、沖縄基地問題)
まきばの家 こどもの家 虐待、ネグレクト〈育児放棄〉を受けた子こども
ケアするスタッフたち : 牧場の動物の世話をもする。 どちらも生き物 休むことが出来ない!
イエスの召命 ⇒ 私たちの召命 ⇒ 何ゆえか みな導かれた スタッフたち、子どもたち 老人たち
神の御霊 復活して天にいまして、この地上全体のもとにいまして、私たち一人一人の心の内にいます
イエスのみ霊が それぞれの者を 「召命」 へと導く。 働き人を祈り求めて、教会の内外より集められる!
・福祉・医療を営みながら、教育に関心を払いつつ、酪農・農業にも従事する ことがゆるされている!
若き魂・子どもたち、老人を招く! 小さき者の一人として 水一杯でも飲ませあう
自分の利己心・党派心から解放され 一人一人を信頼し、心を開きあう 本物の出会いの場「愛と平和の発信地」
何ゆえ デンマーク牧場があるのか?
1964年、交通の便のよい東海道のど真ん中に大地(50ha)が開かれた意義とは?(ただし浜岡原発20km内!)
50年間 いろいろな変節 試練を経て
10年間 スカンジナビア農業学校 デンマーク:フェルケホイスコーレの精神 農民一人一人を大切にしあう
⇒ 10年間の変節を経て、 30年間 「こどもの家」の歩み ⇒ デンマーク牧場福祉会
←沖縄・伊江島 阿波根昌鴻 『米軍と農民』農民学校の計画 ⇒ ブルドーザー破壊される ⇒ 平和闘争
今も デンマーク式農民学校開設の夢
デンマーク牧場 : 伊江島でまだ実現されていない「デンマーク式農民学校」の一つの姿
私たちの日々の営み 「見つめられている!」 沖縄 被災者 もろもろの犠牲者より 世界から 貧困から
私たちはデンマーク牧場のために! デンマーク牧場は(日本を超えて)世界のために!
← We for OKINAWA; OKINAWA for the World;
・〔目指すべきモデル〕
① 北海道家庭学校 (遠軽 留岡幸助 1914年創立 430ヘクタール 100年近く 初めの自立支援施設)
督教独立学園(山形県小国) 雪国の小さな高校 75名の生徒 22ヘクタール(1934年~)
「読むべきものは聖書 学ぶべきものは天然 なすべきことは労働」
愛農高校(三重県伊賀) 1964年創立 三愛精神(神、人、土)、無農薬、50周年 新築ではなく改修で!
② デンマークなど北欧の福祉 『デンマルク国の話』(1911年)『後世への最大遺物』(1894年)内村鑑三
「余は戦争絶対的反対論者である 一等国になる必要はない!」「勇ましい高尚なる生涯」希望、歓喜の世の中!
・〔これからの構想〕
牧場部門が デンマーク牧場福祉会の事業として認められ
⇒ 新こどもの家 建設 2015年春
⇒ 新牛舎の建設(改修)・ 新プラント整備 「教育ファーム」として、8~10頭の牛から搾乳しながら、牛乳、
ヨーグルト・アイスなどの乳製品を作り、販売を続けながら営んでいく。牧場内の遊歩道などの整備。
⇒ 当事者が主人公になりうる 酪農作業中心の 通所施設 ← モデル : かなの家 べてるの家 ⇒ 研修施設…
ある課題を仲間たちと共になしていくにあたり「異なった信仰・異なった思想との共存を自明なこととして
受け入れ、分離によらず、共存の中で自己の信仰を深め、純粋性を維持すること」を大切な姿勢として歩みたい。