≪メッセージの要旨≫   2015年  9月 27日   聖霊降臨後第18主日


          聖書 : エレミヤ書      11章 18〜20節
              ヤコブの手紙      4章  1〜10節
              ルカによる福音書    6章 20,21節


         〜〜〜 さて、イエスは目を上げ弟子たちを見て言われた。
               「貧しい人々は、幸いである、
                神の国はあなたがたのものである。
                今飢えている人々は、幸いである、
                あなたがたは満たされる。
                今泣いている人々は幸いである、
                あなたがたは笑うようになる。」  〜〜〜

       説教 : 『 幸せをはこぶ 』  説教 : 富島 裕史 牧師


(要約)
 夏休みが終わり新学期が始まると必ず自殺をする若い人のニュースが飛び込んでくる。
内閣府の呼びかけで9月は自殺予防月間とされている。
いじめで自殺をする人が後を絶たない。自分で生を断つ「自死」のことを考える。
生きていればいいことがあるのか、なぜ今こんなことになってしまったのか。

 ユニセフ大使の黒柳徹子さんが、自分の著作本の中で
…世界には悲惨な状況の子どもたちがたくさんいるが、難民キャンプでもたくさん聞いてみたが、
  自殺をしている子どもはいない。
  日本では子どもたちが自殺をしている… と悲しい思いを話している。
日本人は精神の奥底にどうしようもない「渇き」を抱えているのではないのか…
ニュースを見ながら感じてしまう。
親の期待に応えられなかった、自分の中の罪や落ち度・失敗から、競争社会に敗れて…
男性に物のように扱われた女性は絶望感から、
高齢が進む中、何もできない迷惑な存在でしかないと思ってしまったり、
人に迷惑をかけるだけだ、深い所で自分を受け入れられない、肯定できない、
そういった人が増えている社会を感じる
人に認められたくて人に攻撃的になったり、何かに依存したりする人もいる。

 聖書の世界、支配しているのは律法だった。
律法によって人は評価され、
律法を学ぶことができず、律法にかなった生活のできない
圧倒的な多くの取り残された民衆は自分で自分を良しとすることができなかった。
「自分はもうだめだ」と思わざるを得なかった人たち、
貧しいひと、病気の人、障害を持った人、罪人のレッテルをはられた職業に就いた人たちが、
イエスのことをきいてイエスの周りに集まってきた。
聖書には「おびただしい民衆」と表現されている。

『幸いなるかな、貧しい人々。神の国はあなたがたのものである。
 神さまは決してあなたがを見捨てていない。
 あなたがたは無条件に神さまに愛されているんだよ。
 あなたがたが生きていることを、神さまは喜び、望んでおられるのですよ。』

自分たちに向けられた祝福のメッセージを受け、人々は希望と信頼を取り戻し立ちあがっていった。
それが2000年前に起きた出来事。

 今の私たちの世界はどうでしょうか。 どれだけ稼いだか、どれだけ社会に貢献できたか、
人にどう評価されているか、どう思われているかで動いてしまう。
しかし、神さまは「あなたは幸いだ」と語りかけてくださっている。
欠点だらけのダメな「私」に対して、神さまは「幸いである」と言ってくださいます。

神さまに愛されていて幸いである。
これから出会う人々に、幸いであるメッセージを伝えていくことができますように。

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