≪メッセージの要旨≫  2016年  6月 26日   聖霊降臨後第6主日礼拝


         聖書 : ルカによる福音書      7章 36〜50節

         説教 : 『 鶏が先か卵が先か 』    渡邉 進 牧師



 「さて、あるファリサイ派の人が、
    一緒に食事をしてほしいと願ったので、
    イエスはその家に入って食事の席に着かれた。」
(ルカ7:36)

 ファリサイ派のシモンは、一緒に食事をするため、イエスを、彼の家に招いた。
イエスは、その招きに快く応じた。
当時、自分より上の人を招いた場合、
≪トリクリニウム≫と呼ばれたリクライニング・ソファーに座るように勧めた。
客は、そのU字型のソファーにくつろぎ、
テーブルの近くに肩を持たれ、体と足は、床に放り出した。

 客が家に着くと、まず挨拶の接吻をした。
それから、水とオリーブ・オイルで手と足を洗う準備をした。
その後、先ほど記した、≪トリクリニウム≫に腰掛けた。
低い身分の人は、
このような食事に招かれることはないが、その様子を見学し、会話のおこぼれを貰うことができた。
悲しむべきは、イエスを招く際、シモンは、それらを省いたのだ。

 疑いもなく、彼は、イエスに恥をかかせることが狙いであった。
そして自分たちの正しいことを証明し、イエスを取り込もうと計画した。
この時、事件が起きた。
ただならぬ事件である。

 「イエスがファリサイ派の家に入って食事の席についておられるのを知り、
    香油の入った石膏の壺を持って、後ろからイエスの足元に近寄り、
    泣きながらその足を涙でぬらし始め、自分の髪の毛でぬぐい、
    イエスの足に接吻して香油を塗った。」
(ルカ7:37)

 この女は、身分が低く、多分人伝えに、イエスが、シモンの家に招かれることを知っていた。
そして意を決し、その食事の席に、見物人として参加した。
イエスの話を聞くためである。
そして彼女に変化が訪れた。
彼女は、イエスの話を聞いて、非常に感動を覚えた。
そればかりではなく、深い悔い改めが生じたのである。
彼女は、はじめから同席してたので、シモンが、通常の挨拶を省いたことを知っていた。
そして思わず、体が動き、幸油を注いだ。

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