≪メッセージの要旨≫ 2016年 8月 21日 聖霊降臨後第14主日礼拝
聖書 : ルカによる福音書 13章 22〜30節
説教 : 『 今、心を開く 』 高塚 郁男 牧師
1.イエス、出て行って教える:(ルカ13:22)
1)今日の福音書の冒頭に「イエスは町や村を巡って教えながら、エルサレムへ向かって進んでおられた」(13:22)とあります。
イエスは、福音書を見ると毎日場所を変えて町や村を巡り、神の教えを伝えていました。
今流に言えば伝道に明け暮れていたと言えます。
2)韓国でキリスト教が爆発的に伸びた時がありました。
今でもキリスト教人口は日本とは比べ物になりません。
3人に2人はクリスチャンだと言われています。
日本は何年経っても人口の1%、100人に一人しかクリスチャンはいません。
実数はもっと少ないと思います。
私も40年ほど前に韓国に行き、主だったいくつかの教会を訪ね、
どうして韓国ではそんなにキリスト教が伸び、盛んなのか調べに行ったことがあります。
チョン ヨンギと言う有名な牧師のヨイド教会にも行きました。
韓国で一番大きな教会です。 いや、世界でも一番大きな教会です。
今はどの位信者がいるか分かりませんが、私が行った40年も前でも40万人いました。
これは日本の全プロテスタントの数と同じです。
一日に7回礼拝をしていましたが、一回の礼拝は何千人も入り、どの礼拝も文字通り一杯でした。
祈祷会の日には会堂で徹夜で祈る人もいましたし、会堂で仮眠し、教会からまた働きに行く人もたくさんいました。
イエス・キリストは今日も歩き続けて伝道しています。
だから韓国はクリスチャンで溢れています。
そのころ、私は友人の韓国人牧師を日本に招き、名古屋で伝道集会を開きました。
その牧師が「イエス様は今日も、今も、伝道を続けています」と話しながら、どうして日本にはクリスチャンは少ないのか。
韓国はどうしてこんなにクリスチャンが多いのかという話に進んでいきました。
かれは「残念ながらイエス様は日本には寄らず、アメリカから直接韓国に来てしまいました」と言われたことがあります。
本当のような気がします。
せっかくイエス様は伝道しに日本に来られたのですが、
多くの日本人はイエス様を受け入れませんでしたが、韓国では皆がイエスを認め、受け入れたと言えます。
3)今日のテキストではイエスの行先ははっきりしています。
「エルサレム」です。
「エルサレム」とは、イエス様が殺される場所です。
イエスは殺されるために「エルサレム」に向かって歩き続け、十字架の死を目指して教え続けました。
ガリラヤが元々のイエス様の伝道拠点ですから、ガリラヤからエルサレムに向かったと言えます。
その距離は東京からちょうどこの富士の距離です。
2.神の国に入るのは難しい:(13:23)
1)今日のポイントは救われるにはどうしたらいいか″と言うことです。
「主よ、救われる者は少ないのでしょうか」と言う質問をイエスに投げかけたと人に、イエスが答える場面です。
別の言葉で言えば、どうしたら神様の所に行けますか、人は死んだらどこへ行くのですか、という問いと同じと考えていいです。
2)イエスは「狭い戸口から入るように努めなさい。言っておくが、入ろうとしても入れない人が多いのだ」と答えています。
「入ろうとしても入れない人が多いのだ」とは、自分は救われると言い切って安心している人たち、つまりユダヤ人たちのことです。
彼らは晴れるのが当たりませと思っているのですが、イエスに言わせれば、彼らは天国には入れないということになります。
3.自分は救われると言う人は神の国にはいれない:(13:29)
1)この話の中で後半に「神の国」(13:28と:29)と言う言葉が二度出てきます。
神の国とは天国です。
また「アブラハム、イサク、ヤコブやすべての預言者たち」(12:28)と言う言葉もでています。
あなたたちの先祖である彼らは昔々千年以上も前の人たちで、
とっくの昔に天国に引き上げられ天国=神の国に入って、楽しそうに宴会をしているのに、あなたたちはそこには行けない。
あなたたちは神の国には入れずに、泣きわめき歯ぎしりをしている、とイエスは言います。
2)アブラハムやイサク、ヤコブやすべての昔の預言者たちは皆素晴らしかった。
今でも天国で宴会をしているけど、同じユダヤ人であるあなた方は、自分たち以外には救われないと他の人を切り捨ててしまう。
それでは救われる筈がない。
自分だけが救われ、それ以外の人は救われないという人を天国に入れる訳にはいかない、とイエスは厳しく退けます。
神の国に入れるひととは、
自分は救われないと思っている人たち、「東から西から、また南から北から来」る人たちで、
「自分たちのように異邦人は救われないと思いつつ、
神のみ言葉に一生懸命耳を傾けている人たち」は救われるとイエスは私たちに教えています。
そういう人が神の国に入ることが出来るのです。
4.今、心を開いて:
1)私たち日本人であっても、心を開いて神様のみ言葉を信じ、神様への信仰を持つとき、神様は喜んで狭い戸口を開けてくれます。
狭い戸口ですから中に入るのは大変難しいです。
しかし、神を信じ、神への信仰をしっかり持ち、信仰生活を身に着けるなら、
神様は喜んで、異邦人であろうが、日本人であろうが大手を広げて迎え入れてくれます。
遅くありません。
今、心を開いてイエス様を信じましょう。
せっかく主イエスが私たちの所にきてくれているのですから。