≪メッセージの要旨≫ 2016年 9月 25日 聖霊降臨後第19主日礼拝
聖書 : マルコによる福音書 6章 1〜 6節
説教 : 『 豊かな命をいただいて 』 富島 裕史 牧師
今日の福音書の箇所は、イエスが故郷のナザレに帰られた話です。
会堂でイエスが何を話されたのか。その内容を記しています。
イエスは根本的には同じことを教えられています。
それは神の国の到来です。
「神の国は近づいた。回心して神の国を信じなさい。」
「神の国は近づいた。」は、根本的なメッセージです。
神さまが遠くから人間を見ているのではなく、人間を救うために近づいてきておられる、
今、人間の救いが実現しようとしているという希望と喜びに満ちたメッセージです。
神さまとのつながりを見失っていた人々は、
イエスの姿を見たり、言葉を聞いたりして神さまとのつながりをもう一度取り戻したのです。
福音書に伝えられている世界はそういう世界です。
神さまとのつながりを取り戻す中で、人と人との新しいつながりも生まれてきます。
民族、性別、職業、貧富の差、力のあるなし…に関係なく
人間と人間の間の豊かなつながりを取り戻していくのです。
しかし、今回のナザレでは思うようにいきませんでした。
ナザレの村の人たちは、自分たちの小さな枠、狭いつながりの中でしかイエスさまを判断できなかったのです。
イエスさまは神さまとつながった世界を伝えようとしたけど理解できなかったのです。
自分たちの町や村のつながりから離れる事ができず、
イエスさまが示すもっともっと大きな、神さまとのつながりを認めようとしなかったのです。
神さまを信じるということは、
私たちが作っている小さな枠を超えて、
新しいつながりのある豊かな命を受け取っていく世界の中に生きる事ではないでしょうか。
そこから豊かな命をいただくことなのです。
毎日の生活は人間の作った枠の中で生きているわけですが、
深いところではもっともっと大きなつながりに生きている、生かされている、
人間を越えたレベルのもっと大きなつながりの中で生きていることを今日の礼拝で確認し、
元の生活に戻っていきたいところです。