≪メッセージの要旨≫ 2021年 1月 3日 主の顕現
聖書 : イザヤ書 60章 1〜 6節
詩篇 72編 1〜14節
エフェソの信徒への手紙 3章 1〜12節
マタイによる福音書 2章 1〜12節
説教 : 『 光の道を歩む群れ 』 木下 海龍 牧師
教会讃美歌 : 49、 54、 314、 386
われらは光の道を歩む民です。
されどそれは暗闇に囲まれた世界の中で射しこまれた一条の光に導かれる道を歩むのです。
この世は明日も定かではない闇に覆われた世界であることは知っているのですが、
「私は光である」と宣言なさる主イエスのみ言葉に促され、
励まされ、更にみ言葉に照らし出された一筋の道筋に添って歩む民なのです。
「わたしは道であり、命である」と宣言されたわれらの主イエスのみ言葉が、われらを包み込むようにして、
暗闇の世界に居るにもかかわらず、一筋の光の道に押し出されているのです。
暗闇の中で「我は光なり」と宣言された十字架への道を歩まれたイエスに向かって
「祈りつつ歩め」と示してくださっておられます。
それは東の学者たちを確実にベツレヘムへと導いた如くに、我々の歩みを導いてくださいます。
闇の中で瞬く星を見失うことの無いように、集中した祈りと日常生活の中でも祈りつつ歩みを進めましょう。
われわれの親や世話になった牧師宣教師の先生方もお亡くなりになりました。
今や親になった私たちもまたこの世を去ってゆくのです。
私の身代わりになる人は誰もございません。
ただイエス様お一人が天使たちを伴って我々を迎え、準備された永遠の住まいへと招いてくださるのです。
聖書はそのように書かれています。 主の光が導くとはそういうことです。
東の学者たちが幼子イエスを礼拝した如くに、我々もイエスを礼拝する旅人であるのです。
その旅の先でイエス様は住まいを用意して待って下さておられます。
われわれが活きている世界は今、コロナのパンデミックのただなかにあります。
政治と社会各分野の指導層でさえもが混乱しております。
少ながらざる市民の多くが、職を失い、また感染によって職場から退かざるを得なくなっております。
イエスが誕生して生きた時代はヘロデ王が専制を強いた世界でした。
そのもとでイエスは凡そ18年間ガリラヤの主要都市ヒッポスの再建工事現場で働きました。
人としてその時代に生きるとはそうした労働によって生活を営むのは普通のことでした。
今日の市民もまた感染症のパンデミックであれ、戦争の勃発であれ
個人の選択肢だけでは何ともしがたい状況の中に巻き込まれる事はしばしばございます。
片隅に住む私自身の生涯に於いても、
第二次世界大戦、ジェーン台風などの幾つかの大きな台風、地震、結核で休学、
今はコロナ禍のなかで、明日に向かって道筋を模索しています。
人はいずれは死に逝くものであり、思いがけず、災害や苦難に巻き込まれてゆきます。
そうした状況を闇の中と表現するならば、そうした真っ只中に、かがやき出でて、
行く先の希望と出口を指し示してくれるのが、イエスからの一条の光なのです。
それは道であり、命へと導きゆく道であると、聖書は告げております。
この命は根源的な命です。
あらゆるものに命が宿っているその根源的命へとイエスは導いてくださるのです。
その一条の光は普遍的な光です。イスラエル人や東方のメソポタ人と言った差別なく啓示されるのです。
更に、心が神様の中心に注がれて、自分自身を忘却した清い心に感じ取れるものでもあります。
上からの光を予感したならば、ひたすらに沈潜し続けているならば、
暗闇と死の陰に坐している者に照らす光が自分を導いてくださっていると信じ知るにいたるのです。
論理とは別に、認知する領域へと導かれます。
トマスは経験的論理でイエスの復活を認めようとしましたが果たせず、いらだっておりました。
ところが眼前に立ち現れた復活のイエスを目撃したがゆえに「わが主よ、わが神よ」と叫び、ぬかずいたのです。
イエスの復活を認知した瞬間と言えましょう。
この世の闇を旅するキリスト者は、導きの光の在処を確認する人間です。
一時的に見失うことはあるでしょう。
見失って迷っていると気がつけば、一時、すべてをそのままに置いて、ただちに一条の光の在処を探しましょう。
祈って聖書を読み、先達の書物を通して、牧師に告白をし、師の助言を受けながら
必要な軌道修正を自分自身の決断によって行うならば再びその光に出会うことになります。
旅を続けるには論理的推論も大切です。
さらにもう一つ、論理を超えて認知に至る道もまた豊かで、神様が導かれる領域でもあるのです。
論理性とは別に、五感全体で認知する感性を磨くことは豊かな信仰生活に至らせる道であります。
「去年今年コロナ禍の世に光あれ」海龍
主よ、我々人類が住む地球上には、新型コロナが昨年初めより猛威を振るい、未だに終息に至っておりません。
大勢の命を失っている状況にあります。
人類は地球をほしいままにあしらい、浪費して来た歴史を振り返って、深く悔改めざるを得ません。
憐れんでください、主よ。 アーメン。