2023年  4月 16日  復活節第2主日(白)

      
聖書 :  使徒言行録            2章14節、22節~32節
            詩篇               16編
            ペトロの手紙Ⅰ         1章 3節~9節
            ヨハネよる福音書         20章 19節~31節

      
説教 : 『 福音を宣べ伝えよ 』
                信徒のための説教手引き 信徒代読
      教団讃美歌 :  148、 154、 147、 497

本日のメッセージには、3つのキーワードを使いたいと思います。

まず、第1のキーワードは、ヨハネ伝20章19節に記載されている 「平和があるように」 という言葉です。

主イエス・キリストは、十字架に付けられ、死なれました。 弟子達はユダヤ人が自分たちをも殺すと思って
いました。 ですから、本日の日課には、「弟子達はユダヤ人を恐れて、自分たちのいる家の戸に鍵をかけてい
た。」
と記載されています。 弟子たちの希望も、夢も、もうなくなってしまいました。 弟子たちは絶望してしま
ったのです。

彼らはイエス様を彼らが待ち望んでいた救い主であると思っていました。 イエス様が、イスラエルをローマから
解放してくださるという希望を持っていました。

けれども、このイエスという方はもう死んでしまった。 弟子たちは 「どうしようか」 と、とっても困ったと思います
。 けれども、ちょうどその時、主イエス・キリストが現れて、弟子たちに
「あなたがたに平和があるように」(ヨハネ
20章19節)と言われたのです。

私たちも色々の恐れに向かっています。 将来に対する不安もあるでしょう?

愛する者が重い病気にかかってしまったり、あるいは、死に直面した時、どうでしようか?

しかし、その時、主イエス・キリストは私たちにも 「あなたがたに平和があるように」 と伝えておられます。

主イエス・キリストはこう言われました。

「わたしは、平和をあなたがたに残し、わたしの平和を与える。 わたしはこれを、世が与えるように与えるの
ではない。 心を騒がせるな。 おびえるな」
(ヨハネ14章27節)。

聖パウロはこう書いています。 「このように、わたしたちは信仰によって義とされたのだから、私たちの主イエス
・キリストによって神との間に平和を得ており」
(ローマ5章1節)

また、こうも書いています。 「どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。 何事につけ、感謝を込めて祈りと
願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。 そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなた
がたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう」
(フィリピ4章6節~7節)

主イエス・キリストが 「あなたがたに平和があるように」 と言われたのは、実際、私たちにイエス様、ご自身の
平和と、神様の平和を与えてくださるということなのです。

聖書によって、私たちは神様の敵ではなく、神様との間に平和的な関係を持っています。 そればかりでは
なく、実際、神様から平和を頂いています。 感謝を捧げましょう。

また、弟子達はキリストを見て、そしてその声を聞いてとても喜びました。(ヨハネ20章20節)

私たちは肉体的に自分の目でキリストを見たことはないのですが、霊的に信仰によって見ています。

ですから、復活の喜びを知っています。 実際、それは罪の赦しの喜び、救いの喜び、永遠の命の喜び、な
ど多くの喜びです。 ですから、この喜びを与えてくださった、主イエス・キリストを讃美しましょう!

私たちの天のお父様は、十字架に付けられ、死から復活された主イエス・キリストによって、そのキリストを通
して、その喜びを私たちに与えてくださるのです。

喜びをもって讃美しましょう!

 

第2のキーワードは、ヨハネ伝20章21節に記載されている、「父が私をお遣わしになったように、私もあなた
がたを遣わす。」
という言葉です。

弟子達も、私達も、キリストの遣わされた者です。

遣わされた者として、私たちは福音を、また十字架に付けられ、死から復活されたキリストを宣べ伝え、証し
するはずです。

主イエス・キリストはこう言われました。

「わたしは天と地の一切の権能を授かっている。 だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子に
しなさい。 彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべてまもるように教
えなさい。 わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる。」
(マタイ伝28章18節~20節)

また、イエス様は言われました。

「全世界に行って、すべての造られたものに福音を宣べ伝えなさい。」 (マルコ伝16章15節)

福音とは何でしょうか?

もちろん、福音は Good News ですが、実際その Good News とは何でしょうか?

Good News 「神は愛である。」 神は私たちを愛してくださっているのです。

聖書はこう教えています。 「神は、その独り子をお与えになったほどに、世を愛された。 独り子を信じる者
が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。」(ヨハネ伝3章16節)

一度こう読み変えてみましょう。

「神は、その独り子 [主イエス・キリスト] をお与えになったほどに、世 [自分の名前を入れてください]
を愛された。 独り子を信じる者
[私] が滅びないで、永遠の命を得るためである。」

というのは、神は私を愛して下さって、私の救いのために、その独り子、主イエス・キリスト、をお与えになった
からです。

また、聖パウロはこう言っています。 「しかし、わたしたちがまだ罪人であった時、キリストが私たちのために死
んでくださったことにより、神は私たちに対する愛を示されました。」(ローマ5章8節)

私たちは、キリストに遣わされた者として、その福音、その Good News を宣べ伝えましょう!

聖パウロはまた、こうも言っています。 「御言葉を宣べ伝えなさい。 時が良くても悪くてもしっかりやりなさい
。」(新改訳聖書Ⅰテモテ 4章2節)

御言葉とは、もちろん聖書です。 もちろんキリストです。 十字架に付けられ、死から復活されたキリストで
す。

私たちはこの約束を持っています。 「実に信仰は聞くことにより、しかも、キリストの言葉を聞くことによって始
まるのです。」(ローマ10章17節)

キリストの言葉は、キリストについて教えていること、またキリストが教えてくださったことです。 けれども、実際
キリストの言葉は、十字架に付けられ、死から復活された主イエス・キリストそのものです。

第3のキーワードは、ヨハネ伝20章22節に記載されている、「イエスは、彼らに息を吹きかけて言われた。 
聖霊を受けなさい。』 という言葉です。

弟子達はイエス様から聖霊を受けられました。 聖霊はキリストの息です。

主イエス・キリストは聖霊を弟子たちに与えてくださったのです。

しかし、それは罪の赦しを宣べ伝えるために、または、罪の裁きについての警告をも、宣べ伝えなければなり
ません。

もし、人が罪を告白して悔い改めているなら、弟子達、すなわち教会は、その罪の赦しを宣べ伝えなければ
ならないのです。

キリストだけが、人の心を知っておられるのです。 キリストだけが、罪を赦すことができるのです。

私たちはそれを宣べ伝えているのです。

もちろん、誰かが私に対して罪を犯したなら、そして、私に 「赦してください。」 とお願いするなら、私は彼を
赦さなければならないのです。

主イエス・キリストはこう教えられました。

「もし兄弟が罪を犯したら、戒めなさい。 そして、悔い改めれば赦してやりなさい。 一日に七回あなたに
対して罪を犯しても、七回、『悔い改めます』
と言ってあなたのところに来るなら、赦してやりなさい。」(ルカ17章3節~4節)

使徒たちは、「わたしどもの信仰を増してください。」 と言いました。

実際、私は、私に対して罪を犯した人が私に赦してくださいとお願いするなら、多分、信徒たちと一緒に祈
らなければなりません。

けれども、「私の信仰を増してください。」 という言葉ばかりではなく、「その人を愛するために主よ、あなたの
愛を与えてください。」
という言葉も祈らなければなりません。

弟子達はペンテコステの日に皆、聖霊に満たされました。

そして、勇気を持って、十字架に付けられ、死から復活された主イエス・キリストを宣べ伝えました。

死から復活されたイエスは、私たちにその復活の喜びをも、聖霊をも与えてくださるのです。

私たちは遣わされた者として、主イエス・キリストにあるキリストの愛、キリストからの罪の赦し、永遠の命を宣
べ伝えていきましょう。

 

お祈りいたします。

主よ、毎日、私達を聖霊に満たしてください。

あなたに遣わされた者として、あなたの愛、あなたからの復活の喜び、そして、あなたからの罪の赦しを宣べ
伝えられますように。 主の御名によって祈ります。 アーメン


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