熟年官能小説 岬の寺
月刊「サムソン」1983年10月号、11月号に掲載

            画 柏井 勝
物語
 寒村の岬の寺に流れ着いた私(悟郎)は、そこに私の本理想の寺男を見つけた。その男源三は寺の住職・浄海と深い関係にあり、私は夜毎二人の痴態を覗き見しつつ自涜するのであったが、ある日中、私はついに源三を手中にすることができた。
 三角関係になってしまった三人の生活は、危うい均衡をとりながら過ぎていった。
読書感想文・・・不倒翁甚平・読書会より
DATE:  9月16日(火)21時05分37秒
TITLE: 理想の小説でした NAME: haru (55歳) 

 私は55歳既婚のサラリーマンです。この世界をオープンに出来ず、隠れながら小説で楽しんでいますが,中々好みの小説に出会うことが出来ませんでした。
でも岬の寺は私の望んでいた作品です。

 私は小さい頃に我が家のお寺の和尚が好きでした。スキンヘッド、優しいまなざしで見つめてくれる和尚に子ども心変な意味無く抱かれたいと思ったものでした。

DATE:  9月18日(木)14時44分26秒
TITLE: (無題) NAME: 2ndo4 (69歳) 

 朝晩すっかり秋めいて、六尺でパソコンに向うにはいい気候になりました。六尺好きにとっては、彼岸前後の秋色は過ごしやすい季節と言うことでしょうか。
 ところで、20年ぶりに読む短編2題は50代のタチ盛りの頃を彷彿と甦えらせてくれました。
平成のいま、改めて通読した昭和の古典には艶やかさも褪せず男色の軋みが逞しく息づいていることを、重ねて実感したところです。
 とりわけ、ウケ遍歴の主人公「悟郎」の生き様は究極のタチ「寺男の源三」に囲われる幸運を、あたかも予見していたかの如き燃え溺れゆく姿に口の渇きを覚えざるを得ないものを、感じたところです。そして終章ちかく、小雨のなかを源三の分身を抱き清教寺を後にする行(くだり)は猟奇にも似た凄惨な止めであったと思う、自分を発見していまた。
 類例の無い、男色筆致を誇る甚平ワールドに万歳。好きだなぁ。

DATE: 10月 2日(木)20時15分22秒
TITLE: はじめまして NAME: 雅 (42歳)

 岬の寺読みました。以前雑誌に載っているのを読みましたが、二度目でも結構新鮮な感じです。心の動きが鮮明に表現され、最近の小説にない感じです。ただ、終わり方がまだ続きそうな感じなので、続きを書いていただきたいです。

抜粋 「岬の寺(後の章) 3」
 私の心の中では、いつでもこんな三人の生活は早く何とかしなければならないという自責の念で一杯だった。けれども何故か、源三は勿論、浄海でさえも、私を追い出す気配等示さず、三人の生活は何とか源三に対する二人妻の様な形式のままで日が過ぎ、季節は十月を迎えていた。

 秋雨がしとしとと降っていた。午前十時頃、だった。私は源三に横抱きにされて、先程から源三が噛みくだいた柿を、口移しに食べさせられていた。私の右手はふんどしの中の源三の一物をわしづかみにして、じわじわと揉んでいた。彼が、ナイフで柿をむく間、私は彼の唇や頬をぺろりぺろりと舐めた。源三は、一口口に入れて、ゆっくり噛む。彼は六十歳にもなるのに、虫歯が二本あるきりでセックスの様に歯も強いのだ。私は、三十二歳の時から、もう十五年間も自分の歯がない。総入歯である。だから固いものは源三がこの様にして食べさせてくれるのである。

 源三の唾にまぶされて、どろどろになった柿を口移しにされる時、私は源三に愛されていることを実感した。私を抱いた彼の右腕や一物の表情が、私に対する愛を表現していて私はうれしい。突然、浄海が帰って来たのは丁度そんな時だった。絶対帰らぬと思っていただけに私は、大周章で源三のものを離し、抱かれた源三の体から逃げようとした。けれども源三は、私の体を前より一層強く抱きしめて、どろどろになった柿を私の胃に流しこんでから云った。

「あわてるな、浄海もちゃんと知っているよ。俺達のこと……」

 私は、口移しにされてどろどろの柿を源三の唇に吸いついて喉の奥に流しこんでいた。私と出逢った浄海の視線が鋭い。

「浄海、悟郎のちんぽを舐めてやれ」

 源三がそう言った。

「ふん、私はいそがしいんですよ、そんな暇はありませんね」

 浄海が少しふくれている。

「お前には、昨夜も一昨夜も俺の精液を飲ませただろう。今夜はうしろに入れてやる」

 私は源三に抱かれ乍ら、彼の巨根をにぎり親指で鈴口のねろねろの液を亀頭に塗りひろげている。浄海の目から、それは見えない。源三のものは、私から一時間近くも揉まれているので、石のようにこちこちになり私の横腹をつついている。鷲づかみにして、ずるりずるりとしごけば反りも入り、血管のみみず腫れも相当昂奮状態にあることを示している。源三は、浄海が私達の前に現われてから、一層昂奮したような気がする。

 源三のものがこの位勃起すると、とてもこのままでは収まらない。口に入れるか、尻に入れるかして、精を出さねば収まらないことを私はよく知っている。私は抱かれている源三の両手から逃れて、ひざ組みした源三の太鼓腹に沿って立ちあがった一物の根元をにぎった。浄海の目がぎらぎら光って私の右手ににぎられたものを見つめている。

 私は、そんな浄海を意識して源三のものを丁寧に口に含んだ。源三は、ひざぐみの姿勢から右足を長く延して、足の先で私のものをはさみ、両手で私の頭を撫ぜている。私は腹這いになり、両手で玉や瘤や、蟻の戸渡りを揉み、亀頭の全周を歯のない歯茎でなぞり、えらの裏側を歯茎でかみ、唇を陰茎に這わせて、ゆっくり顔を左右に廻す。充分な唾液が、歯茎や口の中から次々に湧き出すので、源三の亀頭やえら、陰茎は、私の唾でねろねろし、鈴口からの先走液と混って反った陰茎の周囲にだらだらと流れおちる。

 その唾液を追うように私の舌が、彼のものに巻きつきながら、唇が後を追う。源三のものの先を私は、左の頬に入れて右から舌でつついたり、右の頬に入れて、歯茎と舌でえらの全周や鈴口を強くなぞったりし乍ら、ずるりずるりと呑みこんでいく。

「これだけ奉仕されると可愛いいでしょう」

「うーん、いいよ、悟郎はいい」

 浄海は、源三に抱きついて乳首を吸い乍ら話している。私は二人の短い会話をきいている。突然、源三の声がした。

「悟郎の体を裏返すから、浄海、お前は悟郎のちんぽを吸え」

 源三が心持ち腰をあげ、私の両肩をもって私の体を一八○度廻してあおむけにした。

「浄海、吸え」

 源三はそういって、下半身を私にかぶせてくる。臼のような腰が、私の顔をふさぎ尻が喉からあごの上に乗り、反った源三の一物が私の上顎をつく。彼は少しづつ一物を私の喉に挿入し乍ら、上体を倒してゆく。太い両ももが私の頬や肩を強く挾んでいる。源三は、一物を私の喉に突き刺し、尻を浄海の方に向けて、畳の上に両肘をついて、ゆっくり腰を使う。

 私は、一心に源三のものを飲みこみ音をたてて吸う。源三の一物は、私の下唇を強くこすって喉頭の上部を突いて食道に入るので、余程鼻での呼吸法をうまくやらぬと苦しい。源三は尻を高くあげて、私が根元迄飲みこんでいるのを浄海に見せる。太い玉が私の顎から喉仏にぶらぶらとさがって当る。

 浄海が私のものをくわえて、ねろねろと口を動かしている。私は大の字にあおむいて寝ころがり、源三のものを根元迄くわえて、腰をゆっくり上下に動かす。源三がいつの間にか畳の上に肘をついて動かなくなっている。小さなよがり声がきこえる。

「うーふふ、うーふふ、うーふふ」

 私は、根元迄入ったものを必死で吸う。歯のない歯茎で根元をかんでねじる。両手は、袋のつけ根や肛門を、そろそろと揉む。ずるりずるりと五センチ程、一物が抜き出される。雁に舌がとどく所迄来ている。源三は、私の高度なテクニックに酔って、腰を動かさない。私の愛撫にまかせたまま、呻り声をあげている。射精の時が近い。一物が、又五、六センチ抜き出される。

 私は、一物の先端の周囲に舌を出来るだけひろげて、ずるりずるりと回転させえらを歯ぐきで噛んで顔をくるくると廻す。

「こんなにされると、あ、あーあ。悟郎は可愛いいよ。あーあ、あっ、あっ、いくっ」

 源三に射精の時が来た。鈴口からびしっと射出された精液を私は、頬の奥に貯める。又、ぴしりと精液が口内に吐き出される。四、五回射出された精液が、私の口の中一杯になった気がする。と同時に私も又、浄海の口の中に何度も射精していた。

 私は、両手で源三の玉を揉み乍ら、残りの精液をしぼり出しつつ、少しづつ味わって胃の中に飲みこむ。ミルクの味とチーズの味に、いくらか甘味がある。源三は、吐き出してしまうと、私の顔の上からおりて、ひざぐみをして、優しい目で私を見る。この目で見られると、私はどんな時でもぞくぞくする。私は素早く起き上って、源三に抱きつき大鼓腹や厚い胸、大きな乳首、唇、頬、額をぺろぺろと舐める。源三の喉を舐める時、彼は顔を上に向け、険をていねいに舐めると目をつむって、浄海にきこえるようにささやく。

「これだから、悟郎はかわいいよ。体全体を愛しとる。うーん、かわいいよ………」

 浄海は、そう云う源三の一物を、まるで宝物のように両手で捧げて、亀頭だけをくわえて奴隷のように奉仕した。このように、あからさまに浄海が三人プレイに加わったのは、この時が初めてだった。それ迄も源三と浄海の交わりの中に私が入っても、決していい顔をしなかった。けれども、神聖なお寺の中でこれ程淫らなプレイが行なわれることに対して、三人共複雑な想いに夫々悩んだ。何時かは破たんが来ると、夫々危倶を抱き乍らも、源三の類い希な体に、浄海も私も死ぬ程惚れこんで過ごすのだった。