蜜の狩人 |
■「豊漫」第21号〜第24号連載 (全4回) 1992年〜1994年 |
■物語 |
三年前、一宮良介はどこからともなく湯布院にやってきて、荒れ果てた観音堂の堂守りのようなことをするようになり、そこに住みついてしまった。
湯布院に来て間もなく、良介は土地の名士である土谷秀雄と知り合い結ばれる。
土谷は極端に世間の噂を気にする隠れホモで、同性愛者であることを隠すために四十五歳の時には後妻まで貰い、おまけに後妻との間に六人の子供まで作ったほどである。
土谷は、土地の人に二人の関係がばれないための策として、以前から興味を持っていた転飼方式の養蜂を思いつき、その為に町会議員の職を辞し、昨年の春から秋までの半年間を良介と二人で日本国中を蜜蜂の巣箱を持って蜜を追って旅をした。
そして、今年も湯布院に春が来て、二人の男色三昧の旅が始まろうとしている・・・。 |
■登場人物 |
●一宮良介
三十三歳、175cm、90kg。無口な偉丈夫。頭が禿げている。三年前から湯布院の荒れ果てた観音堂の堂守のようなことをしながら、そこに住みついている。 |
●土谷秀雄
六十六歳、163cm、90kg。資産家で、手広く農業を営むかたわら、町会議員として生計をたてている。後妻と、その間に生まれた六人の子供、長男夫婦と二人の孫の十二人家族。十六歳の時から四十年間、一人の男と男同士の愛で深く結ばれていた過去を持つ。 |
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