官能アナル小説 山あいの宿 |
■「中年倶楽部」E 92年夏号に掲載の短編小説。。 |
53歳の誠治、69歳の公平、76歳の修三、72歳の正彦 ---4人の成熟した男たちのむせかえるような性 |
画 石島次郎 |
■物語 |
六十九歳の公平は、二十年ほど前から大阪の新世界に住みついている。そして五、六年前から五十三歳のトラック運転手の誠治と同棲をしている。 二人は相思相愛のはずであったが、ある日公平を抱いた後、「博多に男が出来た」と誠治が宣言する。公平はただ唖然とするばかりだった。 |
■主な登場人物 |
▼公平 六十九歳 富山生まれで、若いときから家業の薬の行商をしていたが、今はやめている。 二十歳から三十歳の精力盛りの時は、女と手当たり次第に遊んだが、三十代で男に興味を持つようになり、四十歳に近くなる頃、男の対象が五十歳以上の逞しい男だけに絞られた。 |
▼誠治 五十三歳 大阪と九州のを往復する大型トラックの運転手。 |
▼正彦 七十二歳。誠治の愛人。 |
▼修三 七十六歳 宮崎県と熊本県の県境に聳える標高千七百二十メートルの市房山の麓の町から二、三キロ離れた山の中に住んでいる。 二十八年前、行商に来た公平を抱き、以来つきあいが続いている。 |