un title #6
4人が時計塔についたときには辺りはすっかり暗かった。
「22時50分…間に合ったか…」
幾度かゾンビの大群に襲われたため時間ギリギリになってしまった。4人は広場に向かった…ハ ゙ラバラバラバラ…
「来たぜ…」
ヘリが時計塔の上空を飛んでいた…
「小林!山下!」
岩村、伊東、犬本もどうやら無事だ。
「隊長!ご無事で…。」
第7小隊は姉弟を先にヘリに乗せた。修二が口を開いた…
「隊長、そっちには生存者は?」
岩村は首を横に振った…。 6区には生存者は姉弟だけしかいなかった…すべてゾンビになっていたのだ…
「よしオレ達も…」
ズガァァァン 10メートル先の瓦礫は粉々に吹っ飛んだ!
「なんだ!?」
砂煙が治まり瓦礫を砕いた者のシルエットがはっきりしてきた…2メートルはゆうに越える大男…それだけではなかった…右手には鋭い大きな鈎爪が…。
「生きてたのか…」
「なんだあいつは!?お前ら知ってるのか!?」
2人は大男を知っていた…さっき交戦したときの原形はほとんど留めていなかったが目に生気がなく、一点を見据えている…間違いなくさっきの大男だった…

「邪魔されてたまるかぁ!」
犬本が怪物に向かっていった! ドパラタタタ
「!?」
「効いてねぇ?!」
そう怪物にはサブマシンガンでは怯まない… グワシッ
「ぐぅっ」
犬本はわしづかみにされ10メートルもふっとばされた!
「犬本ぉ!」
「ヤロォ…ぶっころす!」
伊東が銃を構えたときすでに怪物は伊東の首をわしづかみにしていた!
「ぐぅぅ…」
「伊東!」
怪物は大きな鈎爪を突き刺した! ゙ゴォ! 間一髪…岩村が撃ったマグナム弾が怪物の腕にめりこんだ! ウゴォ! さすがの怪物も44マグナム弾は効いた。鈎爪は伊東の心臓をズレわきをかすめた…。伊東をほうり投げ、マグナムを撃たれた恨みとばかしに岩村に一直線に突っ込んだ! ブスッッ! 岩村はなんとか怪物の鈎爪を避けたものの腹部に深い傷を負った…。
「ぐあっ!」
「隊長!」
「小林!これを…」
岩村は修二にマグナムを投げた…。 怪物は2人に標的を定めた!
「この野郎!」
バラララララ ブォン! 山下は怪物のパンチを避け鉛玉を浴びせ続けた!そのとき…
バラバラバラ… 「!?」「ちきしょ!あいつらオレらを置いてきやがった!」 ヘリは無常にも第7小隊を置き去りに飛んでいってしまった! 「へっ…怪物さんよぉ…こっからだぜ!」バゴォッ! 修二のマグナムが火を吹いた!

バゴォ!マグナム弾は怪物の体に確実に当たっている…だか、怪物は立ち止まるだけですぐこちらに向かってくる…
「どうなってんだ!」
ダララララ ゚ララララ 山下は怪物の攻撃をかわし続け、なおも鉛玉を浴びせ続ける! ダララララ
「おらぁ!」
カチカチッ
「しまった!弾切れかよ!」
そのときだった…怪物の拳が山下の腹をえぐった! グシャ…
「ガハァ!」
山下のあばらがイヤな音をたてた…これで戦えるのは修二一人になった…バゴォ! 修二は怪物の攻撃をかわし、間合いをとりつつマグナムを打ち続けた! カチッ…
「弾切れ…!?」
怪物の鈎爪は修二の服を裂いただけだった…
「隊長弾を!」
横たわっている岩村からマグナム弾を受け取った修二は怪物の攻撃を紙一重でかわした!
「よぉし…オレとお前どっちが強いか勝負だぁ!」
修二はニヤリと笑いながらマグナムを構えた…。

バゴォ! 怪物は怯む様子はない…それでも修二はマグナム弾を撃ち続けた…。怪物が走ってくる…。ウゴォ! 怪物の鈎爪は修二の胸をかすめた… ウガァァァ! 怪物は攻撃を止めることなく修二に向かって来た! ブォン! ブァン!ヒュオン! 修二はなんとか攻撃を避けたが最後の攻撃は胸を軽くえぐった! さらに修二は額に一文字の傷をもらった…。
「ちぃ…やってくれたぜ!」
バゴォ! ゙ゴォ! カチカチッ…
「弾切れかよ…!」
ウガァァァァ! 修二はふっとばされ壁にぶつかった!
「うっ…最後の1発…」
修二は最後の1発を詰めた… カチャン

「これが…」
カチッ
「最後の…」
シャキン
「1発だ!!」
バゴォッ!

最後のマグナム弾は怪物の喉を貫通した!ウガァァァ… 怪物は膝をつき倒れた… 修二は皆のところに駆け寄った… 伊東、犬本は大丈夫みたいだ、岩村はなんとか応急手当てを意識はある…
「ヤマ!?ヤマ!」
山下は薄れた意識の中で呟いた
「ヘリが来たぜ…助かったなぁ…」
バラバラバラ… ヘリが戻ってきた!
「この姉弟が戻れって…」
修二は皆を運びだしヘリに乗せた。グォォォォ!
「!?」
怪物の叫びがこだました!

グォォォ!
「あいつ不死身かよ…」
怪物はこちらに近づいてくる…。 修二は弾がわずかなサブマシンガンのトリガーを引いた。バラララララ ゙ラララ… カチ… 弾切れだ… さらに怪物は近づいてきた…
「ちきしょ…テメェの勝ちかぁ…」
そのとき…
「修二ぃ!これ使え!」
伊東が手渡したのはロケットランチャーだった!
「よぅし…」
ガシャン
「じゃあな…怪物さん…」
修二はロケットランチャーを怪物に放った!

ズガァァァァン!

「オレの勝ちだ…怪物さんよ…」
修二はヘリに乗り込んだ。
「ヤマ…もうすぐ着くからな!頑張れ!ヤマ!」

山下の返事はなかった…

「ヤマぁぁ…!」



こうしてオレ達第7小隊の任務は終わった…

3ヶ月後

「おい!修二!飯食いに行くぞ!」
「おい!待てよ!ヤマ!…」

- END -

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