タイトル未定#4
《島へ降下中》
5つのパラシュートが一斉に開き順調に目標ポイントを目指していた。〔piーpiーpi〕突如無線が入った。
エージェント:『4人共聞こえるか?』
キング:『ああ』
クイーン:『ええ』
エース:『聞こえますよ』
ジャック:『こちらも問題ない』
エージェント:『体内通信は良好だな!そのまま目標地点へ降下してくれ。』
ゴォォー突然つむじ風が発生した。〔!?〕風に巻き上げられながらもキング・クイーン・エース・ジャック共に体制を立て直す。流石に特殊任務の経験が豊富な彼等は上手く対応してみせる。しかしロスは成す術なく風に吹き飛ばされ4人との距離はどんどん離れていく、更に彼のハ ゚ラシュートは絡まり徐々に落下速度が増している。
キング:『くそっ!俺が行く!別行動は予定にないがお前等気を付けろよ!』
身をひるがえしロスの元へ進路を変えた。
エース:『キング1人で大丈夫ですかね?』
クイーン:『彼なら心配いらないわ』
ジャック:『人の心配より我が身を案じろ!今回のミッションは情報が少なすぎる。こんなの初めてだ。』
〔piーpiーpi〕
クイーン:『こちらクイーン、つむじ風に巻き込まれてロスが流され別行動に…キングが後を追ったからこのままミッションを遂行するわ』
エージェント:『そうか。地上に降りたらホークアイを飛ばしてくれ。映像があればそちらの状況が把握できるからな!』
一方…ロスの元へ急ぐキングを嘲笑うかのように風は吹き荒れていた…

ロスの体はキリモミ状態となり、パラシュートは捻れどんどん加速する。
キング:(マズいな…)
キングはナイフを取り出し自らパラシュートのコードを断ち切った。パラシュートを失ったキングの体は弾丸のようにスピードを上げロスとの差を縮め一気に追いついた。もがくロスをよそにキングは慎重に対処した。もしロスのハ ゚ラシュートのコードが巻き付けば2人共アウトだからだ。キングはロスの体を押さえると素早くコードを切り、サブハ ゚ラシュートを出した。ロスは動揺している為1人で降下できそうに無いと判断しロスのパラシュートで2人一緒に降下した。ハ ゚ラシュートを開くのが遅かったうえに2人の体重を支えている為なかなかスピードが落ちない。地面 はどんどん近づいてくる…キングの目に大木が飛び込んできた。
キング:(あれだ!)
パラシュートの進路を変え無理矢理大木の枝に引っ掛けた。なんとか無事に着地できたが先を思うとドッと疲れが出てきた…
キング:『大丈夫か?』
ロス:『す・すいません…迷惑かけて…』
キング:(迷惑かけるならついて来るなよ…)
キングはその言葉をグッと飲み込みホークアイを飛ばした… 丁度その頃クイーン達もホークアイを飛ばしていた…

〔piーpiーpi〕
エージェント:『大丈夫か?キング』
キング:『なんとかな…2人共無事だ!』
エージェントの元に4人の映像が送られてくる。
エージェント:『全員無事のようだな。』
タバコに火を着けるキングの後ろにはへたり込むロスの姿が映っている。出撃前のブリーフィングでの情報は@ウイルスに感染すれば12時間でゾンビ化する。
Aウイルスは血液を介して感染する。
B先発部隊はほとんど全滅している。
これだけだった。
ジャック:『で…新たな情報は無いのか?』
エージェント:『すまない。こちらもいろいろ手は尽くしているんだが…先程ヘリからの通信で島中央に大型の建物が見えたそうだ。恐らく事件の首謀者や大統領はそこにいるものと思われる。ひとまず島中央を目指してくれ。後、奴と連絡がとれたよ。今、手土産を持ってこちらに向かってるそうだ。到着次第私と交代するよ…』
クイーン:『彼が遅れてくるのはいつものことだけど…』
エース:『手土産ってなんですかね〜?』
ジャック:『さ〜な!しかし奴の声がないと落ち着かないものだな!』
クイーン:『敵の情報が解り次第連絡してちょうだい。さあ、みんな行くわよ!』
クイーン達は島中央を目指し歩き始めた…

キングがタバコを吸い終わる頃ロスはようやく落ち着きを取り戻した。
ロス:『あの〜…先発部隊はほぼ全滅なんですよね…兄を含めた仲間と戦わなければならないんですよね…』
質問と言うより、改めて自分に言い聞かすような口調だった。
キング:『ゾンビ化してるのならそうなるな…』
ロス:『そうですか…先発部隊は何人送り込まれたんですか?』
キング:『1万人だそうだ。』
ロス:『1万!!!!こんな小さな島に1万もの兵隊を?』
タバコを踏み消しながら答える。
キング:『お前馬鹿か?一国の大統領が誘拐されたんだぞ!たとえ国家戦争クラスの軍事力を投じても不思議じゃないだろ!』
自分のはいた言葉がおっかなかった。昨日までは味方だった…部隊は違うといえど同じ方向を向いていた仲間だった…それがたった1日でお互いに矛先を向け合う事になったのだ…
キング:『いいかロス!顔見知りの奴もいるだろう。だが、信じられるのは自分だけだぞ!怪しいと感じたら迷わず撃て!それが俺でもな…』
ロス:『は・はい…』
キングの気迫におされそう答えるのがやっとだった… 〔パキッ〕
キング・ロス:(!?)
背後のブッシュから枝を踏み折る様な音が響いた。音のした方向に銃を構える。 〔パキッ、ガサガサ〕 〔パキッ、ガサガサ〕
キング:(複数か…)
キングが当たりを見回したその時
〔ガサッ!〕
突如何かが飛び出してきた…

□タイトル未定
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