「自動車用安全メーター」

IT時代ですが、「酔っ払って運転しても安全な車」が出来るには未だ時間が掛ります。ですから当分は、ドライバーが最終責任を追う必要があるのです。そしてコンピューターは必要な情報を提供すべきなのです。其れが「安全メーター」です。しかし今の自動車で、安全走行の為の情報を提供して居るのは「スピードメーター」だけです。それは百年前から変わっていない時代遅れなものなのです。

 車間距離がゼロに成るのが「事故」ですから、最も必要な情報は「適正車間距離」です。それはスピードの2乗に比例し、路面の滑り易さに反比例するので、コンピューターでは容易ですが、暗算は到底不可能です。

一方、前方の路面が、雨、雪、氷などで滑り易く成って居るのを判断する能力は未だドライバーの方が圧倒的に高いので、其処は手動で切り換えて選択する必要が有るのです。

そして更に、適正車間距離を保つ為の操縦能力も、未だドライバーの方が圧倒的に高いので、コンピューター側は「適正車間距離」を計算して表示する所までです。それが車と人が得意分野を分かち合う「バードン・シェアリング」と云うものです。

一方、安全情報はそれだけでは不十分なのです。濡れた路面上で、急カーブや車線変更で急ハンドルを切ると、遠心力に依り、車が横滑りを始める危険が有るのです。しかも横滑りが始まってからブレーキを掛けて遠心力を減らそうとしても、速度が落ちるより先に、ブレーキ力に依って、更に横滑り耐力が低下して収拾が付かなくなり、車は「こま」の様に回転しながら、ガードレールや横の車に激突する事に成り易いからです。

 それを防ぐには、カーブに入る前に、予め「乾燥路相当速度(エクイバレント・スピード)」まで速度を落としておく必要があるのです。それも暗算は困難ですから、コンピューターで計算して表示する必要が有るのです。つまり「濡れた路面では、注意して運転する様に」と云う精神論は時代遅れなので、どうすれば良いのか具体的行動をデジタル値で表示する必要があるのです。

 具体例を示せば、高速道路を時速100キロで走行中、「安全メーター」も100キロを示し、適正車間距離は70を示して居ます。

 其の時、雨が降って来てドライバーか「雨」を選択すれば、「安全メーター」は133キロを示します。つまり実速度は100キロでも、乾燥路を133キロでカーブに突っ込むのと同じ危険度が有る事を示して居るのです。其の時適正車間距離は108を示しています。其処で「安全メーター」が100キロを示す様に速度を落とせば安全なのです。その時、従来のメーターを見れば、実速度が75キロまで落ちている事が判ります。そして適正車間距離は65を示して居ます。

 同じく100キロで走行中「氷結」を選択すれば、「安全メーター」は338キロ、適正車間距離は583と云う大きな値を示します。

「安全メーター」の表示速度を「クルーズコントロール」に送れば、路面の滑り易さに関係無く、安全な走行が出来るのです。

「安全メーター」の効果は2つ有って、一つはこのメーターの必要性を理解出来る「カーインテリ」「運転道黒帯」の人は、統計上事故率が一桁低い事が判っており、このメーターを採用する事が「カーインテリ」のステータス、「踏み絵」に成って居るのです。もう一つは自動車技術に暗い人でもこのメーターに従えば理屈が判らなくても「安全運転」が出来るのです。

東京から冬の北海道に行くと、最初は、交叉点の手前で止まろうとしても、交叉点の中央位まで滑って出してしまう。高速道路では何時も100キロで走って居るので、雪が降って来ても、どの位危険に成ったのか見当が付きません。だから大玉突き事故が起き易いのです。そんな時特にこの「安全メーター」が有効なのです。

大型トラック便は玉突き事故などの際の加害性が大きく、運行管理者を置くことも義務付けられて居るので、「安全メーター」を率先装備する「企業責任」が有るのです。

「安全メーター」の表示速度は法定速度では有りませんから、若干オーバーしても違反では無いので、上の雨天の例でも、先を急ぐ場合には例えば「安全メーター」120キロで走行すれば、実速度は90キロ、適正車間距離は90mを示していますから、乾燥路上より危険な事は承知の上で、その分急ハンドルを切らない様に注意して運転するなどのして走る事も有りでしょう。

この理屈は高校の物理の応用問題に過ぎません。そして「車の停止/制動距離計算機」でトップヒットする弁護士のHPでも計算サービスが提供されています。でも、事故が起きてから弁護士が出て来ても遅いので、事故の起きる前に、運転席に表示するのが当たり前では有りませんか。

この冬も「安全メーター」が無いためにどれだけのスリップ事故や玉突き事故が起きるのでしょう。