フレンズ
口づけをかわした日は ママの顔さえも見れなかった
ポケットのコインあつめて ひとつずつ夢をかぞえたね
ほら あれは二人のかくれが
ひみつのメモリー oh
どこでこわれたの oh フレンズ
うつむく日はみつめあって
指をつないだら oh フレンズ
時がとまる気がした
そっと触れただけの唇をゆっくりと離す。
制服の袖を掴んでいた腕から力が抜けて、ずるずると落ちる。
強く掴んでいたから皺の跡が目立つ。罪の跡を見せつけられているようで
まともに顔を上げれずに目を伏せうつむいた。
「・・・・・・・ごめん」
「なんで あやまるんだよ・・・っ」
襟元をぐいと引き寄せられて重ねられた唇
歯がカチリと音を立てた。
瞬間、真っ白になって何かが弾けとんだ。
俺の胸に堰きとめていた感情はもう止めることが出来なくて
噛み付くようなキスを
この想いのこたえを
探すように唇を重ね続けた。
流れ込んでくる熱い何かを
こんなにも求めていたことに気付いた。
何度も何度もその熱を確かめた。
ねえ 君は覚えている 夕映えによくにあうあの曲
だまりこむ君がいつも 悲しくて口ずさんだのに
今 時は流れて セピアに染まるメロディー oh
二度ともどれない oh フレンズ
他人よりも遠く見えて
いつも走ってた oh フレンズ
あの瞳が いとしい
ガシャリと音を立ててフェンスに手が掛かる。淳の手とフェンスの間に挟まれた俺の手。
硬く閉じていた目をゆっくりと開けて淳を見上げた。
「なんて顔してんだよ」
ふ、と困ったような笑みがこぼれる。
「泣きそうじゃんか」
頬に淳の細い指が触れる。
「好きなんだ・・・」
震える声で想いを言葉に変えた。
「・・・バーカ」
その答えに俺の顔が凍りつく
「知ってたよ・・・」
返そうとする言葉が喉に詰まって声にならない
「もう・・・戻れないぜ・・・
いいのかよ・・・?」
そう問いかけながら俺の肩に顔を埋める。
温もりがそこから伝わってくる。
間違いじゃない。
「・・・いいよ」
縋るように背中に廻した手に力をこめる。
「もう誤魔化しはきかないから・・・」
「そうだな・・・」
「淳が・・・好きなんだ」
俺たちは間違ってなんかない。
どこでこわれたの oh フレンズ
うつむく日はみつめあって
指をつないだら oh フレンズ
時がとまる気がした
二度ともどれない oh フレンズ
他人よりも遠く見えて
いつも走ってた oh フレンズ
あの瞳が いとしい
沈んだ夕陽、壊れた街灯
夜が世界を覆う頃、遠くに見える影絵の街に灯がともりだしても
見えなくなった境界線の上で、俺たちは抱きあったままでいた。
song by REBECCA