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      はっきりと覚えている。

      初めて重ねた唇は互いに少し震えていた。

 

      抑えきれなかった気持ち。

      その時はまだ、未確定で不安定でそれが何かだなんてわかってなかったはず。

      でも、間違いじゃなかった。

 


      「いいの?」という問いかけに小さく頷いて潤む瞳が静かに閉じた。

      あの日、深く交わした二度目のキスの感触も思い出すだけで胸が熱くなる。

 

 

 

 

 

      欲したのは私。

      求めたのはあなた。

 

      たとえそれが罪だとしても。

 

      本気の瞳に、吸い込まれてしまったから。

      抱きしめた温もりを離したくなかったから。

 

 

 

 

 

 

 



 

      ぎゅうっ、と抱きしめて

      全部抱きしめてこのままずっとかおるを感じていたい。

 

      「リカさん・・・?」

 

 

      未来中の願いと引き換えてもいい。

 

      「かおるが好き」

 

      「あたしも、

      リカさんが 好き」

 

 

      今ならはっきりと言える。

 

 

      それが愛だと。

 

 

 

      「愛してる」

 

      「あたしも愛してる」

 

 

 

 

 

 

      あの日とおんなじ。

 

      温もりにまどろむ遠くに、雨の音が聞こえる。

















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