Two Hearts - JULY -
「七夕の日って、毎年天気あまりよくないんだって」
宅急便で送られてきた花束の中に笹がひょろりと混じってた。送り主はかおる。
「願い事、ある?」
と、こないだもらったメールで聞かれたことを思い出す。
あなたってヘンなところでロマンチストだから
これだと他にもきっと細かく注文をつけてきそうね。
年中行事に疎いほうではないけれど、
星に願いを・・・なんて、ここ何年も考えたことなかったわ。
待ってるだけで叶うなんてそんなもの、もうないもの。
「どんな願い事でもいいからちゃんと書いて吊るしてね」
まるで子供だまし。
「なんならあたしがリカさんの願い事、叶えてあげる」
電話の向こう、嬉しそうにしてるアナタの顔が目に浮かぶよう。
でもきっとそれは難しい願い。
ふと目にするあなたの活躍する姿。
自信に溢れて、キラキラに輝いてて
どんどん変わってくあなたが眩しくて、目を細めてしまう。
胸が、きゅっ となる
その瞬間に私の願いが天に昇る。
それは言葉に出来ない願い事。
「カワラナイデ イテ」
泣きそうな顔、見られないように
「ワタシヲ スキナママデイテ」
後ろから強く抱きしめる
「リカさん、大好き・・・」
甘いその一言に、想いがすべて溶けてゆく。
柔らかいキスに身をまかせたくなる。
そして今夜も永遠を夢見る。
離れている時間を埋めるようにお互いを感じながら。
「全然ゆっくり出来なくてごめんね」
繋いだ手、名残惜しく指を絡める。
「願い事、本当にこんなんでいいの?
ちゃんと叶えるから待っててね」
「ん・・・」
まるで子供のように小さく頷いた。
文字にしたのは他愛もないちっぽけな願い。それが欲しいんじゃないの。
それを叶えるために私を想って欲しいだけなの。
意地悪な私の願いを、不安という名の星の川を越えてあなたが叶えてくれる。
ねえ ありったけの愛をあげる。
だから 変わらない愛をちょうだい。
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