江ノ島 2004 レーザーラジアル・オータム・レガッタ
 レース絵日記

河内屋大番頭 著

(2004年11月20、21日 参加艇数49)

 第1レース。風向25°〜15°。風速3〜5m/s。
 スタート前に、上マークの近くまでクローズで走ってみると、マークは定置網のすぐそばで、その辺りは岸に近くてシフトが大きそう。スタートラインの角度を測ると下有利で、東から時々パフが入る。以上の事から、「スタート後即タックして右に行き、コース2/3ぐらいでスターボに返して最後はポートでマークアプローチ」というプランを決める。
 予定通り下からスタート。しかし上のフネにスピードがあり、タックできずそのまま伸ばす。ヘッダーが入り始め、そのフネと同時タック。あれれ、もうコースの2/3まで来ている。
 久しぶりのレーザーで、強弱、シフトの大きい風に悪戦苦闘。第1上22〜25番ぐらい。
 2回目の上りでは、だんだん慣れてきてシフトも拾えるようになり、だいぶ順位を上げる。第2上マークを回って上って来るフネを警戒していると、フネを止めて何やらアウトホールをいじっているらしい小番頭さんに遭遇。
 今回のコースはトライアングル1回、ランニングが2回の変則コース。この微風では、ラジアルリグで83kgの体重に、ランニング2回は酷というもの。女子供に抜かれながら15位フィニッシュ。

 第2レース 風向30° 3〜4m/s
 スタート下有利。それに加えて江ノ島側にブローラインが見える。スタート直前に江ノ島側にシフトしたパフが入り始め、即タック。直前に小田急H内さんがポートでグングン上っていく。上マーク7、8番。
 下マーク近くで先行しているH内さんのグループがラフィングごっこ気味になっているので、まっすぐマークを狙って3番で回航。風はかなり落ち、江ノ島側は死んでいて鎌倉側にパフが見える。ちょっと遠いけどそれを狙ってポートロング。やっと拾ったけど、今度は江ノ島側にパフが入ってドバッと左艇団にやられてしまった。第2上12、3番?
 ランニングの間に考えて見ると、結構短い周期でシフトしている。最後の上りは「上る方のシフトを最初に走ろう」と決め、ランニングの間に風向をチェックしていると、江ノ島側に振れた風で下マーク到着。まずポートを伸ばす。これを左シフトの風と仮定して、後はいわゆる振れタック。フリーも何とかごまかして6位フィニッシュ。

 第3レース 風向100° 3m/s
 だいぶレーザーには慣れてきた。でもバングの加減やアウトホールの引き具合などはよくわからないので、写真を撮られてもおかしくなさそうな感じに適当に引いておく。
 スタート上有利。2分前にかなり上1点気味となり、本部船の上にフネが渋滞気味。今回は1分間ルールが適用されており、ラインから出てしまうと即失格となってしまう。そこで本部船から10m下を狙う事にする。下側に2艇止まっている間を、うまくベアしてポジション確保。スタートはOKだった。
 2時半にスタートしたので風もかなり不安定になっている。コースはどちらがいいのかわからないのでとりあえずマークに近いほうのタックで走ることにする。上マークで材木座フリートの旧知のF井さんと接近遭遇。25番ぐらい?
 その後、F井さんと付かず離れずを繰り返し、風が落ちたランニングで再び女子供に抜かれながら18位フィニッシュ。日が暮れてきたのでターボ・オンして全速で帰港。

 第4レース 風向195° 2〜3m/s
 2日目、長い風待ちのあと、1時を過ぎてやっと始まった。
 ラインはほとんどイーブンだけど右にシフトしそう。スタート直前に右にシフト。本部船側から出てグッドポジション。2日目になってフネにかなり慣れてきて、セールカーブが見え出したので自信を持ってバングとアウトホールをセット。途中で強弱、シフトがきつく、セーリングに集中を強いられる。(これがこの後起きる悲劇の引き金となる)
 7〜8番で上マークを回ってサイドマークを目指す。サイドマークを・・・・・・・・サイドマーク・・・・・? ないみたい!
 トップ集団が右往左往しだしたので、マークがあるならもっと下!と思い切ってベア。「もしマークがあったら絶対トップ♪」という位置まで落とす。振り返ると遥か上にマーク!! ・・・ガーン!、ダントツのビリ! さっき回ったサイドマークにもう先頭艇が近づいている。
 琵琶湖のI田さんがスナイプのネット雑誌「フルハイク」の中で書いていた、全日本の中部予選の話を思い出す。「42艇の参加で行われ、(-中略-)センターを上げないと前に進めないほど藻がある状況で、センターが上がらなくなり、41番目の艇が下マークを廻ろうとする時に、自艇はサイドマークにさえ達していないという風景。『絶望』という風景を、久々に体感することができた。これも貴重な経験としたい。」あれはこういう状況?でも藻はないし、これをカットレースにすればいい。どこまで上がるか気楽に行こうと思い直し、またまた次のフレーズが浮かぶ・・・「順々に抜いていこうやないか!」(これは2004年テーザー・スプリング・レガッタでのA氏の名セリフです:Kobanto注)
 順位の変動が大きかったため、普段見かけない顔ぶれが前に。きっと小番頭さんも真の先頭集団にいるはずに違いない(失礼!)と確信しつつやっと上マーク。やっと1艇抜いたと思いつつ振り返るとなんと小番頭さんだ!前のフネとは20mぐらい離されてのワンツー・ビリ。マークボートと目を合わさないように絡んだシートを直すふりをしてうつむいて回航。
 ここまで順位が落ちるとクリアーウインドの中を自由に走れるので最短距離、全速と唱えながら走る。クローズではようやく他艇とミーティングするようになり、ランニングでも順位を上げたがコース短縮となり、33位。

 第5レース 風向180° 2〜3m/s
 2時48分スタート。
 さっきのレースで終わりだと思っていたので、1番で帰るつもりでずっと下に待機していたらホーンが鳴り、あわてて戻る。
 ラインチェックが間に合わなかったけど、上スタートらしいので本部船側から出た。
 ゼネリコ。走りはかなりいい感じ。
 ラインから押し出すような潮があり、再スタートでは注意しないと!で本部船側から出て、細かくタックしながら(今度は)本物の上マークへ。途中で滑りが悪くなって上マーク20番ぐらい。
 サイドマークまでは、さっきスタートの時に押し上げる潮があったので落とし気味に走るが順位はほとんど変わらず。サイド〜下でも同様の考えで落として走る。やっと効き目があって、3〜5番ぐらいUP。
 クローズコース半分ぐらいで、上のブランケット位置でタックしたフネを見ると強化選手の逗葉のI島選手。上マークを彼の2、3番後ろで廻りそのままスターボのランニングコースへ。彼はポートへジャイブしてブームをかなり出してセーリングしていた。じっくり観察。
 コース短縮となりI島選手に続いて13位でフィニッシュ。彼は本部船から「どーしたの?」と冷やかされていた。こちらは2番目にいい成績なのに。トホホ・・・。

 結局マーク間違いのレースがカットポイントとなり、総合13位でした。

 今回、楽しくセーリングできたのは、フネを快く貸してくださった丁稚3号さんと、ほとんど使っていなかったセールを貸してくださったNセールのN島さんのおかげです。
 丁稚3号さん、N島さん、本当にありがとうございました。

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その時Kobantoは

 11月20日、初日の朝は晴れ。この時期にしては日差しが強く、ドライ・スーツでは暑くなり過ぎてしまいそうな陽気でした。海水もまだかなりぬるい感じです。
 朝方の北風が落ちそうで落ちず、時々鎌倉方向から強めのブローが入ってきます。
 ブローがワッと来る時にはオーバーヒールになるくらいなのに、しばらくすると、急いでコントロール・ラインを緩めなければならないくらいまで落ちてしまうという、すごく走りにくいパターンでした。

 スナイプのレースで大番頭さんに教わった通り、スタートラインを流してからタックして振り返ると、本部船が下の方に見えましたので、「スタートラインは下有利」と言う事は分かりましたが、「で、じゃァどうしたらいいの?」というのがKobantoのレベルです。 ズラッと並んでいるフネの間に、どうやって入り込んで行ったらいいのか、ちょっとやそっとで分かるはずもなく、この日のスタートはいつも3列目ぐらいで、1上はだいたい後ろからシングルでした。だから、オリンピック・コースに上下ソーセージを一つ加えた今回のコースは、挽回のチャンスが増えて、とてもありがたかったのです。(このコースの事を、スキッパズー・ミーティングで聞いた時には、「上りが一回多くて、ヤだなあ〜。」と思っていたのですが。)

 (大番頭さんに目撃されたシーンは、タックしたとたんにブローがやんでフネが止まってしまったので、ブームを押していたところです。)

 第2レースはあまり順位も上がらず、従ってよく憶えていません。でも、普段一人でタノシク乗っているだけの私にとって、レースは他の人と走りを比べてみる良い機会でした。上り角度がすごく悪いと言う事がわかって、少しメインシートを引くようにしてみたら、多少は改善されたようです。

 第3レースの頃には風が安定して(落ちて)来ましたので、やっと集中して走る事ができ、2回目の上りでずいぶん順位を上げて、SフリートのK山君と並んでランニングを走ることになりました。(上出来!)
 「もう一回上るんでしたっけ?」
   「これでフィニッシュじゃないの?」
 「あっ!トップ艇が上ってる!」
・・・・などという会話をしながらも、当然、抜くチャンスをねらっていたのですが、下マーク回航後に仕方なくタックした後で、走りに集中してしまい、いいカンジで穏やかな左海面に突っ込んでしまったのがマチガイでした。上マーク付近でスタボーのK山君に再会し・・・・・・・レース終了後のパーティーで、「あの時、アッ!って言ったのが聞こえましたよ。」と言われてしまいました。

 21日(日)も晴れ。昨日よりさらに暖かな朝です。
 北風は早々と止んでしまい、みんなの天気予報は、「無風の後に、南からの海風が入って微風レース」か、「無風の後に、寒気が流れ込んで雷雲が発生し、ババ吹き」のどちらかで、どちらにしても「昼まで無風」はキマリでした。
 そして予想通り、スタート予定時刻の午前10時頃は、風速ゼロメートル。気温はグングン上昇中。油を流したような海面に、時折そよ風がサァーッと風紋を付けて行き、マストの風見が楽しげにクルクルと回り・・・・・・、みんな這うようにしてレース海面にたどり着きました。

 そして、なが〜い風待ち。
 青い空、青い海。0.5m/sのそよ風に吹かれながらヨットの上で昼寝をしていて、何の不足があるのかと、世間の人は思うのでしょうが・・・。

 話題の第4レース。最初の上りでKobantoは、「マーク」を回って右往左往している集団の中にいたのです。なぜかというと、全レースを通じてこの時だけは「走った!」からです。(スタートでは、皆さん全員が出払ってしばらく後にラインを切りましたので、かえってフレッシュ・ウインドをつかんで加速できたのではないかと、本気で考えています。)
 記憶によると、前方には10艇ぐらいいて、大番頭さん以外はほぼ全員が18歳未満でした。みんなが「あれ?サイドマークは?」とウロウロしている中を、大番頭さん一人がどんどんシモに下っていくのを、「やっぱり・・・」と思って見ていました。
 実に大番頭さんらしい我が道の行きっぷりでした。
 私はスナイプのレースでサイドマークが流されたときの事を思い出し、今度も同じくやり直しになるものと思ってブラブラしていました。が、どうやらレースはマジで続いているらしいと分かって、大急ぎで上マークに向かいました。
 まさか河内丸チームで「ワンツー・ビリ」を演じてしまうとは・・・・。
 Kobantoも少し順位を上げて、41位でした。

 第5レース。
 「ワタシのカゼ♪」の上限ぐらいだったのに、走りませんでした。今になって気がついたのですが・・・・・・レースの時の海面って、ひょっとしてボコボコ?
 平日に「相模湾ひとりぼっち」状態でセーリングしている時とレースの時とでは、海面の状態が全然違っている事が分かりました。
 イワシの群れだって海面にさざ波を立てるのですから、レーザーが50杯も行き交えば、波の立つのは当然ですね。
 しかもこの時はヘンなうねりも入っていたようで、とにかくフネがユラユラし通しでした。

 走れるはずの風で走らなかったので、「あせって上マーク付近でタック1セット追加」等の典型的なミスをしながら37位でフィニッシュ。
 結局、総合35位でした。

 でも、なにはともあれ楽しかった!!
 2日間、朝から晩までレースの面倒を見てくださった運営の皆様、(心ならずも)伴走してくださった選手の方々、(さっさと)先行してくださった方々にも、心よりお礼を申し上げます。
 本当にありがとうございました。  

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