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KOBANTOのレース絵日記(2)

2004年第2回江ノ島スナイプ選手権

 今回の絵日記はゲンシュクな反省の場面から始めなければなりません。
   2004年6月13日、日曜日、午後4時、小田急セーリングクラブのフネ洗い場にて。
 大番頭さんと小番頭の会話。
    小「結局、あんまり走らなかったですね。
  大「藻が付いてた事もあったけど、付いてないのに走らなかった時もあったしねえ。」
  小「アカは入っていませんでしたよね。」
  大「マストの位置は合ってたし・・・。」
  小「リーダーの位置も、(アレもコレも)合ってましたよね・・・。」
  大「ということは・・・」
  小「・・・・?」
  大「・・・・ヘタなのかな。」

     残る原因はただ一つ、でした。

 さて、モンダイの第2回江ノ島スナイプ選手権初日の6月12日は、台風の直撃は免れたものの午前中に梅雨前線が通過したため、 ハーバーは出艇禁止、レースはウエイティングでした。西の空には怖そうなレンズ雲が見えて、 ひそかにノーレースのうわさも囁かれています。6月の強い日差しと蒸し暑い空気の中、河内丸チームは小田急SCのカフェのパソコンで エイティーン・フッターの動画などを見ながらダラケていましたが、レースは「ある」と思っていました。
 ハーバーの風速計はずっと10m前後を表示していて、沖はうねりが相当に大きい様子です。 前日に入手したての未使用のニュー・セールを使おうかどうしようかとかなり迷いましたが、 レース開始が決定された昼頃には少し風が落ちましたので、河内丸には「バリバリッバリバリッ」の ニューセールが揚げられることになりました。

   出艇してみるとかなり風も強く、めちゃくちゃな波が立っています。時々かなり強烈な南西のブローが入り、ちょっとコワイ雰囲気でしたので、 スタート前にアビームで走ってみたりして、気持ちを落ち着かせました。

 この日の唯一のレースとなった第1レースは、午後2時過ぎ、2〜3回のゼネリコの後にスタートしました。
 河内丸はZ旗が揚がった直後のゼネリコの時にちょっと押し出され気味になり、後日の成績表にコメ印が ついてしまいました。お仲間も一杯いらっしゃったようです。(ドーモドーモ・・・。)
 スタート後、ポートロングだったので早めにタックし、いい感じのようだったのでそのままっちょっと伸ばしました。 下振れでタックしてスタボーになった時には「今度こそホントにいいかも・・・」と思ったのですが、 マーク付近でポートの集団が伸びだし、タックをワンセット入れる間に、続々とポート艇に入られてしましました。
 上サイドは他艇よりかなり下ってサーフィングし、この時はかなりよく走りましたが、だんだん風が落ちて来て、 2回目の上りはものの見事に走りませんでした。コースがどうのというより、お・そ・かっ・た・のです。
 そしてフィニッシュの上りは左へ伸ばしてポートでリフトのブロ−を受け、少しは挽回して着順は21位。 いまひとつ、さえない出だしになってしまいました。

 2日目、13日、日曜日。前夜からの雨は7時過ぎに上がり、肌寒い曇り空に7m前後の北北東の風です。 昨日はラッシュガードだったスナイパー達も、パドリングジャケットやドライスーツを着込んでいます。  冬の海のようにフラットなわけではありませんが、昨日の記憶のある目には十分フラットに見える海面でした。

 予定の9時半より少し遅れて出艇申告受付開始。ダークグレーの空と海に、後から出艇して来る船団の白いセールが くっきりと映えて、緊張感のあるいい風景です。
 それなのに、・・・・・・藻です。どうしてわざわざ、今日、ここに、スタートラインのまん前に、流れ着かなければならないのでしょうか。今は若布狩りをしている場合ではないのです。 (それでなくても遅いのに・・・。)

 今ひとつ昨日の印象を吹っ切れないまま、第2レース(この日の第1レース)は大番頭さんのとっさの判断で、 直前にタックしてポートで出ました。話には聞いていても実行するのは初めてのポートスタートでしたが、 間の悪いミートもなく、順調にそのまま走りました。
 「今日は東寄りの風のパターンで、強まったり弱まったり、振れたり戻ったりしながら、 終始、鎌倉市稲村ガ崎3丁目から三浦郡葉山町一色にかけての方向から吹く。」 というのが河内丸の予想でしたので、振れタックがいつもより多く、前回ほどには経過を良く覚えていません。 この時の上りは、振れタック1セットを入れてレイラインにアプローチしたところまでは、まずまずの出来だったと思います。
 でも潮流が・・・・。
 マークの手前で4回タックしました。

   上サイドはいつものように下らせ気味に走り、サイド・シモはタイトでしたので(という事は上マークでラインに入りきれなかったのは 潮流だけじゃなくて北に振れたせいかな・・・と、これを書いていて気が付きました。)ウィスカーを下ろして上らせ気味にしました。 後続艇がかぶせにかかっていたこの時に遅くなくてラッキーでした。本当に今回は「走ったりやんだり」だったのです。 (あの時かぶせようとしていたキミ、ざんねんでした〜!)
 2シモまでは比較的順調で、少しは順位を上げたはずだったのですが、 絵に描いたような「下マークの大外回り」をやってしまい、4杯ぐらいに抜かれました。
 最後の上りで少し右に伸ばしてOKだったらしく、10位でフィニッシュし、結局これが今回のベスト・スコアになりました。

   そうとは知らず、今度こそと思って臨んだ第3レースは・・・。
 マークは70°。東に10°移動しています。何回かのゼネリコの後、下気味でスタートし、近くのフネ何杯かとせめぎ合いをしてから 、七里の前の海面を走ってマークにアプローチしました。
この直後から走りの悪さが際立ってきて、何回目かの若布狩りもあり、少しあせり気味になっていたようです。
2回目の上りでは、江ノ島寄りの海面に期待してみたりしましたが、ブローが長続きしません。途中でポートに返した時には良さそうな位置にいても、 上マークに近づくにつれてスタボー艇がどんどん伸びてくるといった調子で、何だかパッとしませんでした。 風もかなり落ちてきて、そこはかとない無力感が漂います。着順は18位でしたが、気分はもっと下位の感じでした。

 そして最終第4レースは、ソーセージコース、マークは90°、28位、以上・・・・な〜んて。
 何しろ走りませんでしたので、大番頭さんは徐々に(後で本人も認めましたが)八つ当たりモードに入り、最終レグでは2倍速16当たりぐらいに なっていました。そしてフィニッシュラインの直前では、小番頭が押さえるべきフネが分からなかったため、 一瞬にして3艇に抜かれてしましました。本当に夢のようでした。

 最後の最後がそんなだったせいと、「走った!」という感じがなさ過ぎたせいで、冒頭の反省のシーンになってしまいましたが、 去年に比べれば、成績が少しは底上げしたようですので、よかったと思っています。
 「やっぱりヨットレースは難しい」という事を再確認したという気持ちです。
 練習、練習、ですね!


 ところで今回は(徹底的にシンプルイズビューティフルな)閉会式の後で、ノースセールの白石さんによる講習会がありました。 レース艇に装着していたGPSのデータを映写して、白石さんが解説をするという試みです。
 タック後の航跡に風の振れがはっきりと現れているのが分かったり、「上りでポートロングだったら、上マークを回ってからどうするか。」 という設問が白石さんから出されたりして、とても充実した内容でした。次回も楽しみです。

                 

レース絵日記付録

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