沙門良寛


生涯懶立身 騰々任天眞 嚢中三升米 爐邊一束薪
誰問迷悟跡 何知名利塵 夜雨草庵裡 雙脚等間伸

生涯身を立つるに懶(ものう)く 騰々(とうとう)天真に任す 嚢中(のうちゅう)三升の米 炉辺(ろへん)一束の薪(たきぎ)
誰か問わん迷悟(めいご)の跡 何ぞ知らん名利の塵 夜雨草庵の裡(うち) 雙脚(そうきゃく)等閑(とうかん)に伸ばす

立身出世に興味無く この本性に生きたのだ ズタ袋には米三升 薪は炉辺の一束か
迷や悟は聞くだけ野暮よ 金もいらなきゃ名誉もいらぬ 足を延して安臥 夜雨の極楽



   雪は五合庵を覆って一個の繭たらしめる。