小泉首相とバイロイト音楽祭
2003年8月27日
小泉首相は独シュレーダー首相とともに、2003年8月18日午後ドイツ南部の
バイロイト音楽祭にてワーグナーの歌劇「タンホイザー」を鑑賞した。
そして、ワーグナーの孫で同音楽祭の総監督を務める
ウォルフガング・ワーグナーとも歓談した。
↓(ニューズソース)↓
小泉首相、ワーグナーを堪能 バイロイト音楽祭を訪問
http://www.asahi.com/offtime/music/TKY200308190115.html
「夢が実現した」訪独の首相 本場で歌劇鑑賞
http://www.sankei.co.jp/news/030819/0819sei034.htm
これは、小泉首相が音楽好き、オペラ好きであるからドイツ側が
粋なはからいをしたものだと思われてるが、背景はそんな単純なものでは
ないようだ。確かに小泉首相は、首相在任であるにもかかわらず日本でも
オペラを観劇している。
そして、シュレーダー首相としては、昨年6月のカナナスキス・サミット
の帰途、サッカーW杯の独決勝応援のため日本政府専用機に同乗させてもらった
返礼の意味を込めてオペラ好きの小泉首相を招待したとの見方もあるだろう。
↓(ニューズソース)↓
歌劇「タンホイザー」を鑑賞 バイロイト音楽祭で首相
http://www.sankei.co.jp/news/030819/0819sei008.htm
そもそも、昨年のこの件にしても、一国の代表が他国の政府専用機にその
代表と共に搭乗するなど異例のことである。(前例もない)
それは、機密保持の観点だけでなく、安全保障上、何か起きた時
(テロや撃墜、事故墜落、等)に大問題(国際問題、政治問題、外交問題)
になる恐れがあるからだ。。。
当時、日本のメディアは「まっいいんじゃないの?」「ほほえましい」etc...
程度の報道であった。
わたしは、「おお日独同盟か!!」「そんなことアメリカが許すのか!苦虫噛み
締めてるのでは?」「小泉大丈夫か?」「機内でどんな会話をしていたのだろう?」
等と思ったものだ。
小泉総理は2年前(2001年)、首相になる時の公約で8月15日に靖国参拝を公言していた。
(だから日本遺族会は総裁選で小泉支持を打ち出して、田中真紀子人気との
相乗効果で地すべり的圧倒勝利となった)
だが、15日参拝は出来なかった。
これは、一般には中国、韓国の反対(圧力)で外交問題を避けるため、
中止せざるをえなかったとされている。その面も確かにある、がっ
真実は、アメリカの圧力であるようだ。
米は当初、小泉純一郎をよくわかっていなかった。そのため、靖国参拝だと!
こいつは、イシハラのようなウルトラ・ナショナリストなのか!
止めさせろ!ってなことで、小泉は妥協して別の日に参拝してお茶を濁した。
(この分析は当時、片岡鉄哉氏が月刊誌『正論』で書いていた。)
その後、アメリカ(ブッシュ政権)は、小泉首相はきわめて親米であり
なおかつ、改革と称して外資(アメリカ資本)大歓迎!ってなことに
大いに納得して、これはすまなかった!戦士の墓に行くのは当然のことだ!
と手のひら返して、ブッシュ大統領来日時に明治神宮に行ってともに流鏑馬を
観戦したのである。(だがこの時も靖国神社には行かなかった)
以上のような前例があったから、小泉、シュレーダーの親密な関係は米国が
チャチャ入れるのではと思っていたが、その後の展開はさにあらず・・・
小泉首相はブッシュ大統領との関係はかなり良好のようだ。
かつての「ロン・ヤス関係」(レーガン・中曽根)以上の良好さだ。。。
(情けないほどのポチぶりと引き換えなのだが。。。)
なお、直接関係のない事だが、参考として靖国参拝に関する過去の新聞記事。
(転載開始)
2002/06/01 (産経新聞朝刊)
米軍基地幹部、靖国参拝「戦没者に敬意を表す」 ( 6/ 1)
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「戦没者に敬意を表したい」−。在日米軍横田空軍基地の幹部将校で組織する
「将校会」は三十一日、第二次世界大戦の戦没者らが祭られる靖国神社
(東京都千代田区)を参拝した。
在日米軍が同神社を参拝するのは初めて。
将校会メンバー二十四人はこの日、陸上自衛隊市ケ谷駐屯地を視察した後、
午後二時前に靖国神社に到着。拝殿南門から二列で行進を始めた。
整然と本殿中庭に進み、代表者二人が本殿階下の台座に献花。
全員で敬礼し、黙祷(もくとう)した。
外国軍隊の参拝は、昭和五十三年にドイツ練習艦艦長と乗組員計五十人が
訪れて以来。
将校会では今回の参拝について、「過去に米日で戦争があったが、国を愛する
ものとして純粋な気持ちで戦没者に敬意を表し、お参りすることは当然だ」
とコメントしている。
(転載終了)
さて、そんな経緯があっての「バイロイト音楽祭」である。
上記サイト記事にもあるが、シュレーダー首相側の事情として、過去に
シュレーダー首相が音楽祭への招待を辞退したことで、ワーグナー家との
関係がこじれていたため、その関係修復の意味合いがあったと書かれている。
しかし、これも少しヘンである。
何故なら以下の記事に、
↓(ニューズソース)↓
歌劇タンホイザーを鑑賞 首相 バイロイト音楽祭へ(京都新聞:2003.08.19)
http://www.kyoto-np.co.jp/news/flash/2003aug/19/CN2003081801000658A1Z10.html
「ドイツでも現役の首相が鑑賞するのは初めて」と報道している。
なんでしょうこれは!!!
先に紹介したSankei Webの記事でも、
ワーグナー家も日本の首相のために異例の7席のチケットを用意。
するなど、歓待ぶりも尋常でない程だ!!!し、
シュレーダー首相は18日の会談で「(ドイツの首相として)史上初の機会を
得ることができたのは、小泉首相のオペラへの造詣が深いおかげだ」と謝意を
表明した。
と、ある。???
鍵はワーグナーとバイロイトにある。
バイロイトは戦後50年を経てやっと祖国統一を果たしたドイツ国民に、
いわばドイツ国民の聖地とも呼べる場所であるようだ。
そして、ユダヤ人達にとって、ワーグナーは悪魔の音楽であるといえる。
↓以下参考にした、情報サイト↓
ワーグナーの愛した街
http://www.shimokishi.co.jp/www/wag_main.html
ルートヴィヒ2世について
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Suzuran/5107/ludwig2.html
バイロイトの第九と王妃エリザベート
http://homepage3.nifty.com/midorizemi/Bioit.htm
そのため、ドイツの首相は、敗戦後ずっと、ワーグナーのバイロイト音楽祭には
近付かなかった。というのが真相ではないか。。。
そもそも、ドイツも日本と同じく、未だ、米英の占領下(属国)にあるのが
実情であるはず。。。(敗戦国の現実)
いまでもドイツは、毎年、約八千人の「ネオナチ」「右翼」が、
「思想犯罪」として、起訴されていると聞いたことがある。
日本ではあまり報道されないが、ナチを連想させることに関しては
ドイツはとても厳しく今もって法律で禁止されているようだ。
ことこれに関しては「言論の自由」なんてない。
報道されるのは、バカな若者が不平不満のはけ口を、ネオナチに
傾倒することで暴力事件を起こすetc...等が社会問題(背景に移民問題)
になっているとの事ぐらい。
だが、あまり報道されない例としては、アウシュビッツのガス室について
少しでも否定的なことを研究調査しようとした学者やジャーナリストが
「思想犯」として起訴されたりもするらしい。。。
また、学校の教師が、生徒に毎朝ドイツ国歌を歌うことを強要?したり
学校や家庭で毎日国旗(ハーケンクロイツではない)の掲揚をしたりする?
と「極右」にされてしまうような事態であるらしい。
(どっかの国と似ているような・・・似てないような)
ある種あたり前の保守的なドイツ人(これを「右翼」とされる)の素朴な
言動は封殺されている。
そんな中で、シュレーダー首相は、折から訪独中の日本の小泉首相と共に、
バイロイトに現われて、あえて、敗戦後のドイツの禁忌(タブー)を
破って見せた。。。これが真相ではないか!
いわずもがな、シュレーダー首相は社会民主党の党首である。
そして、シュレーダー社民党政権(みどりの党との連立)は、
米英の対イラク戦争に参加しないのみならず、それを、ある種の
帝国主義的な侵略戦争であるとして、批判している。
多くのドイツ国民の支持もある。
今も参加しないと明言している。
↓(ニューズソース)↓
独首相:「イラク派兵検討していない」仏と距離置く姿勢
毎日新聞8月23日] ( 2003-08-23-22:48 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030824k0000m030074001c.html
シュレーダー首相とは何者か?
↓以下参照サイト↓
ゲアハルト・シュレーダー独首相略歴
(Gerhard Schroder)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/germany/cv/r_schroder.html
ゲアハルト・シュレーダー 独首相
(H.E.Mr.Gerhard Schroder)
(Chancellor of the Federal Republic of Germany)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/kiroku/s_mori/arc_00/g8_00/p_schrode.html
社民党だから、プロテスタントであろう。。。
そもそも、Schroderはシュローダーと訳すべきであろう。
何故、シュレーダーとしたのか?何かを隠蔽する意図があるのでは?
日本外務省とマスコミは「多国籍軍(the Allied Forces) 」やら
「国際連合(The United Nations)」やら「規制緩和(deregulation)」
やら奇妙にごまかす、おかしな翻訳例が枚挙にいとまがない。
マーチャントバンクとしてシュローダーは世界的に有名であるし、
もちろん日本にもある。
↓
シュローダー投信投資顧問株式会社
http://www.schroders.co.jp/
このサイトによると、
「シュローダー・グループは、ロンドンを本拠地としてグローバルに展開する
資産運用グループです。マーチャントバンク、J・ヘンリー・シュローダーを
母体とし、その歴史は1804年にまでさかのぼります。
シュローダーは日本とのかかわりも古く、1870年に日本政府が新橋〜横浜間の
鉄道敷設にあたって、主幹事を務めました。」
http://www.schroders.co.jp/contents/g02.html
とある。また、どこかで聞きかじった記憶では、日露戦争時、
日本が戦費調達のためロンドンで外債を募集したときも
シュローダーはひきうけた会社のひとつである。
つまり、ロスチャイルド系統であるのではないか。
シュローダー(schroder)の姓はイギリス系ドイツ人の系譜の
可能性があるのでは?と勘ぐりたくなる。
シュレーダー首相がシュローダーと関係があるのかないのか、
不明である。(わたしにはわからない)
上で紹介した外務省のサイトのシュレーダー独首相略歴によると
フォルクス・ワーゲン社監査役員をやっていた時期があるので、
V・ワーゲン社との関係は深いようだが。
とここまで、書いてきて結局よくわからない。
推測するしかないが、結論は急ぐ必要はないし、否、結論めいたもの
は危険なことかもしれない。。。
(陰謀論者のレッテルを貼られたくない。。。)
イタリアのベルルスコーニ首相とは何者か?
にも関係してくるし、これをも含めた分析が必要に思われる。
(わたし程度では手にあまるし、何より怖い、恐い)
そうそう、7月のベルルスコーニ首相が独のシュルツ欧州議会議員
に対して「ナチス映画の看守役にふさわしい」と発言が大きな波紋を
呼んで、いまだにくすぶってます。
これは、伊ベルルスコーニ首相の演説を妨害したことが、発端になってます。
↓以下、時系列的にニューズ記事↓
伊首相の演説に妨害=一部議員が「疑惑回避」批判−欧州議会
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030702-00000623-jij-int
EU議長国の伊首相、独議員を「ナチ映画に」と中傷
http://www.asahi.com/international/update/0702/014.html
「ナチス映画に出たら」伊首相発言に独首相が謝罪要求
http://www.sankei.co.jp/news/030703/0703kok086.htm
ナチス発言、欧州紙も伊首相を批判
http://www.sankei.co.jp/news/030703/0703kok093.htm
伊ベルルスコーニ首相の「ナチ」中傷発言、波紋拡大
http://www.asahi.com/international/update/0703/008.html
独首相、伊首相に正式謝罪求める 「ナチ」発言で
http://www.asahi.com/international/update/0703/011.html
伊首相が独首相に電話で謝罪
http://www.worldtimes.co.jp/w/eu/news/030704-184551.html
伊首相問題発言、欧州に波紋広がる
http://www.worldtimes.co.jp/w/eu/news/030704-184825.html
「謝ってない」と伊首相 「ナチ」発言でまた失言?
http://www.asahi.com/international/update/0705/004.html
「ナチ」問題蒸し返し、「謝罪していない」と伊首相
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030705id01.htm
『ナチス発言』新たな波紋伊首相が“謝罪"否定
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20030705/eve_____kok_____000.shtml
独ユダヤ人中央評議会副議長、コカイン疑惑で辞任
http://www.worldtimes.co.jp/w/eu/news/030708-203324.html
独首相、伊での休暇を取りやめ 問題発言に抗議
http://www.asahi.com/international/update/0710/002.html
伊独反目EU迷惑 ベルルスコーニ首相 ナチス発言 議長不適格の声
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030711-00000014-nnp-int
また独たたき、スウェーデン反ユーロ派が外相標的に
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030711id26.htm
今度はスウェーデンで独批判
http://www.worldtimes.co.jp/w/eu/news/030711-205828.html
イタリアの失言次官が辞任 ドイツ人観光客を侮辱
http://www.asahi.com/international/update/0712/009.html
ドイツ観光客批判のイタリア経済次官が辞任
http://www.worldtimes.co.jp/w/eu/news/030712-114228.html
独欧州議会議員、イタリア批判で仕返し
http://www.worldtimes.co.jp/w/eu/news/030715-232809.html
何となく子供のケンカのようで(笑)ほほえましい。。。
で、最近では、シュレーダー首相、ベルルスコーニ首相には
オペラ鑑賞をと思ったら・・・(小泉首相とは違って。。。)
↓
独首相とのオペラ鑑賞、伊首相がドタキャン
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20030823id03.htm
まっそれでも、何とかやってます・・・外交です。
↓
独伊首脳、仲直り?の朝食 関係悪化後、初めて会談
http://www.asahi.com/international/update/0823/015.html
伊首相:独首相に和解アピール EU首脳に根深い不信感
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20030824k0000m030097000c.html
独伊首脳が会談、関係冷却ひとまず修復
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20030823AT2M2301623082003.html
やっぱり笑ってしまいます。(日韓関係や日朝、日中ではこうはいきません。。。)
まっ、このギクシャクの背景には、アメリカの介入(工作?)が当然、考えられます。
EUで一致団結、まとまられると困るのが、米国(覇権国)です。
推測にすぎませんが。
さすがと思うのは、独・伊の一連のドタバタにフランスは一切沈黙し
われ関せずの姿勢を貫いていた事。
ちょっと気になるニューズとして、
↓
独伊内相、移民監視へ3拠点設置を提唱
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20030824AT2M2400C24082003.html
さて、小泉首相である。
小泉はかようにアメリカオンリーではないのだ・・・
それは、シュローダー首相やベルルスコーニ首相と立場や手法は
違えど同じこと。(ブレア首相やアスナール首相とてそうだ・・・)
一国の首相としてあたりまえのことだが、マスコミはそう伝えない。
それは、覇権国と属州との関係で、属州であっても自らの権益を最大限
守ろうとするもの。
対等の国際関係など過去から現在にいたるまで一度だってない。幻想である。
話しを戻します。
小泉首相とシュレーダー首相の日本政府専用機の同乗と
バイロイト音楽祭との接点について、ネット上から以下の
記事を見つけた。↓
2003/ 3/14付け、田中直毅の今週のひとことより
(一部転載開始)
2003/ 3/14 新たなる平和秩序
3月の第一週にベルリンで日独フォーラムが開かれました。
これに出席しましたので、そのときドイツのシュレーダー首相に私が質問して、
そしてシュレーダー首相が答えてくれたことから、分かったことについて
お話したいと思います。
ワールドカップの最終戦、ドイツ戦が行なわれたときに、ちょうど首相専用機に
シュレーダー首相が乗ってやってきて、横浜の会場でこの試合を観戦しました。
このとき、非常に長い時間、同じ機中にいたわけで、いくつかの議論があった
というふうに言われています。
その中の一つに、音楽好きの小泉首相が「自分はワーグナーの曲が大変好きだ。
なかでもバイエルン州のバイロイトというところで開かれる音楽祭、
これは是非機会があれば行きたいものだ」と、言ったというわけです。
これに対してシュレーダー首相は、「自分は今までバイロイトの音楽祭に行った
ことはないけれども、小泉さんがそんなにも好きならば、夏の終わりに行われる
この音楽祭に招待したい」と言ったと、関係者の間で言われています。
そこで私がシュレーダー首相に、この招待はいまだ生きているのか
ときいたところ、彼は「この音楽祭の切符を入手するのは大変困難である。
しかしもし2枚取得できれば是非招待したい。自分は聴いたこともない。
しかし、小泉からワーグナーをはじめとして音楽の話をいろいろ講義を受けた。
自分も聴いてみたくなった」という言い方で、大変親しみが込もっていました。
(一部転載終了)
http://www.21ppi.org/japanese/hitokoto/tanaka108.html
5ヶ月前に書かれたものだが、とても興味深い内容です。
このことで特に加えるコメントはない。
さて、はたして小泉首相とシュローダー首相の両人、
今後の運命は・・・いかに。。。
一部敬称は省略しています。
乱筆にて、不正確、誤字・脱字も多々あるでしょうが、ご勘弁を。。。
(了)
2003年8月27日脱稿