牡丹燈籠

 中学1年生の夏休みに,真昼間のテレビ番組で怪談話シリーズの中で牡丹燈籠を見ました。
子供心にも,死んでもなお,恋心を抱いた人のもとに彷徨い出てきて,最後には,いっしょに,連れて行く女の人の情念(おとろしさ)に惹かれてしまいました。

で,中学2年生の頃には,男女逆ヴァージョンの牡丹燈籠もどきのお話を考えました。時代は,物悲しさが,漂って良いだろうと,応仁の乱の時代に設定しました。(この頃,戦国時代とか室町時代,鎌倉時代にはまっていたのですよ。)
男は許婚の兄を助けるために戦死したが,その恋人のもとに彷徨い現れる話でした。
今,考えるとありがちなネタでしたが,いまだにその話が気に入っています。
”久遠”はその男の名前です。許婚の女とその兄の名前は,考えたのか,忘れたのか・・いいかげんにつけたのか覚えていません。
当初,久遠は”くおん”という呼び名でした。今は,”ひさとう”と読んでいます。どっちも音読み訓読みを無視していますね。
結末は,男が女を黄泉路に連れて行ってしまい,女の兄だけが最後に残る形でしたが,今作り直したならば,果たして,男は女を連れて行くのかどうか・・・疑問です。男は,女に生きて欲しいと願い(これも残酷かも)一人で黄泉に帰る・・・とするかもしれない。
これも,自分が歳をとってしまったから違う考えかたになったのでしょう。
男でも女でも,死んでも出てきてしまうほど,好きな相手がいていいな〜〜・・・究極の恋愛だな〜〜〜と,中学生の私は思っていたのでした。
でも,戦国時代の漫画なんて,当時の私に画力も資料も気力も無く,話しを作っただけでしたけど。

        で,今描いたのがこの3人

牡丹燈籠のお話は,中国明朝の牡丹灯記というお話が原本らしいです。

そう言えば「雨月物語」もこの頃読んでいました。
似たようなお話しで,この物語の中の一編,”吉備津の釜”に出てくる”磯良”という女の人がめちゃくちゃが怖かったです。
男も悪いから,女に復讐されるのだけどね〜〜〜。