桜の季節は終わったのですが、2年前に描いた藤原広嗣に再度挑戦??イラストです。
以下・・・かなり適当な訳・説明ですが・・・

藤原朝臣広嗣 桜花を娘子に贈る歌一種
「この花の一枝(ひとよ)のうちに百種(ももくさ)の事ぞこもれるおほろなにすな」
この花には私の気持ちがたくさん入っていますから、粗略にしないで・・どうか私の気持ちをわかってくださいね。

娘子の和ふる歌一首
「この花の一枝(ひとよ)のうちは百種(ももくさ)の事持ちかねて折らえけらずや」
この枝にはたくさんの言葉が入りすぎて?(重すぎて)折れてしまったんですね・・・
娘子に軽くあしらわれたような・・・?


藤原宇合(藤原式家)の長男の広嗣。
天然痘の大流行で父宇合をはじめ藤原4兄弟が相次いでなくなり、藤原氏の勢力が急速に衰え、
その間台頭してきた橘諸兄・僧玄ム・吉備真備。
大宰少弐に左遷され、玄ム・吉備真備に対抗すべく九州で反乱を起こしますが・・・
あえ無く2ヶ月鎮圧されて、綱手と供に非業の死を遂げます。
この時、宇合の年齢から逆算して広嗣30歳前でしょう。
10歳弱の娘がいた?そうなので、若くして結婚したのでしょうね。
藤原氏を担っていく存在でありながら、あっさり左遷され、中央に帰り咲くことをもくろんだが、それも閉ざされてしまった広嗣。
判官贔屓にも似た同情をよせる人も多いと聞きます。


万感の思いをこめて娘子(この娘子が結婚した相手かどうかもわかりません)に送った歌も軽くあしらわれて…お気の毒(T_T)
でもでも、この歌が私は大好きなのです★。
”この花”の花は桜です。
桜の花というと、この方のこの歌を毎年思い出します。
ぎりぎり4月中に仕上げたので、セーフ??とういことで・・。

2006.4.29.