
げに人間の心こそ 無明の闇もことならね
ただ煩悩の火と燃えて 消ゆるばかりぞ 命なる
芥川龍之介の王朝物といわれる平安時代の古典もをの題材にした歴史小説の中のひとつ「袈裟と盛遠」
「源平盛衰記」第十九、北面の武士”遠藤盛遠”と”袈裟御前”の話をモチーフにされています。
貞女の誉れ高い袈裟御前ですが、この小説の中ではそう描かれていません。
それを袈裟と盛遠の二人それぞれの独白で表現しています。
母親、夫のために身を挺する袈裟というイメージや、横恋慕した盛遠という設定を抜きにして
お互いを憎しみ、怒りをもちながらも、相手を愛していると心にかみ締めるお互いが印象的です。
が、その独白は壮絶なもので、袈裟に対するイメージは変わります。
上の歌は、盛遠が袈裟の家の訪れる前に築地の外で佇んでいたときに、
どこやらから、誰かが口ずさんでいる今様の歌です。
2007.5.18.
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