半年前の卵五万個出荷


 にわかに信じられないことだが、生鮮食品だと思っていた卵が半年後に出荷されていた。いくらなんでもそれはないでしょうと言いたくなるが、違法ではないというのだからまた驚くばかりだ。これで大きな食中毒事件がおきたら、大パニックになっていたと思うが、幸いそうはならなかった。食中毒事件になっていたら傷害事件で逮捕されていたと思うのだが、今回は無罪だった。

 食の安全についてはBSE、雪印事件、肉偽装問題等で大きくと取り上げられてきたのにかかわらず、またしても消費者の信頼を裏切ることになったのは残念である。米国のBSE問題で牛肉が高くなって、それにつられて豚肉、鶏肉が高くなってきて、頼りになる卵がこういうことでは困る。もう動物性たんぱく質は魚しかなくなってしまった感がある。その魚も大衆魚と言われた鰯が極端な不漁になってしまって、安い魚を探すのに苦労している。

 それにしても半年も経って卵が食べられるというのはちょっと考えものだ。冷蔵倉庫の中でよほど保管状態が良かったにせよ、やはり抗生物質をじゃんじゃん使っていたんじゃないかと思ってしまう。担当者が品質上問題ないと判断した根拠もそこにあるのではないか。だとしたらあまり好ましいことではない。もちろん卵は殻付きのままが一番保存がきくというのは本当である。それにしても半年はないでしょう。いくらなんでも長すぎる。

 やっぱり産卵日の表示を義務付けるべきだ。パック詰めの日などはどうでも良い。一番大事なのは産卵日である。なんてったて卵は外から見てわからないのだから。魚や肉なら外から見て生きが良いとか悪いとかある程度わかるけれど、卵はブラックボックス(ホワイトボックス?)だから。

 ともかく食の信頼性は消費者にとっては切実なのだ。命にかかわるものだから、生産者も単なる製品としてみないで自戒して欲しい。



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