鶏のインフルエンザ


 半年前の卵の問題で揺れている矢先、今度は鶏のインフルエンザが国内でも発生した。まだ山口県の一養鶏場だけでの発生であるが、お隣の韓国での例の様に、国内中蔓延する危険性はある。原因が渡り鳥の野鳥にあるという可能性が指摘されているが、こうなるとなかなか防ぐ手段がない。野鳥の移動は防げないし、鶏を全部完全密封の鶏舎に収容するのもお金がかかるだろうから。感染の疑いがある鶏の処分・移動禁止と、徹底した消毒しか手がないようだ。誰が悪いということではないが、ここでは日本の危機管理能力が試されている。

 消費者においては、肉や卵を食べても問題はないとはされているが、やはり敬遠する人は増えるだろう。米国の牛肉輸入禁止とあいまって、豚肉の値段が跳ね上がりそうだ。日本人が食する3大畜産動物のうち2つが駄目となれば、残りは豚しかないからね。一ヶ月、二ヶ月肉を食べないからといって別に命にかかわるわけではないけれど、最近は肉食中心の食生活になっているから、こたえるだろうね。

 まあ、あまり神経質になってもしょうがないが、人への感染が心配だ。鶏から人への感染はごく稀だがおきている。そしてさらに心配なのが、人から人へと感染するウイルスへの変異である。これまでのインフルエンザを見ても、その源は鳥にあって、それが豚に感染して、豚の体内で人に感染するウイルスに変異して人に感染すると推測されている。

 日本では鳥、豚、人間が同じ場所にいることはあまりないけれど、中国南部ではよくあることで、インフルエンザの発生源が中国南部だと言われているのはこのことによる。

 いずれにせよ新しいウイルスに対しては人間は抗体を持たないから、死亡率が高いのだ。ワクチンは間に合わない。SARSの発生とあいまって、また心配の種が増えてしまったが、あまり心配しすぎると今度は神経がいかれそうになるから、心配はほどほどにしておこう。日ごろの健康への心がけを大事にするのが一番だ。


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