たまには躁に


 鬱なのである。うっとうしいの鬱なのである、普段は。しかし鬱から外れて、軽躁状態になる事もたまにはある。これが体質によるものなのか、薬(抗鬱剤)の作用によるものかは良く分からないが、鬱から解放されるという事はとてもうれしい。本当に目の前が明るくなり、周りの景色が輝いて見えるのである。

 ただ躁といってもそんなに気分爽快になるわけではない。やたらせわしくなって、あれもやろうこれもやろうと落ち着きがなくなるのである。普段やらない事をやろうとするから、体がついていかない。それですぐくたびれて、また鬱に戻るのである。

 だから私の病名は、鬱状態が主体の躁鬱病というのが本当かもしれない。困った事に躁と鬱の間のいわゆる正常状態というのがほとんどない。だから正常な健康状態というのがどんなものなのか、忘れてしまっている。困ったもんだ。

 人間、普通の状態が一番幸せなのかもしれない。確かに周りの人と同じだと、それだけでも安心だわな。しみじみそう思うよ。



戻る