柿の実が実っているが


 秋になって柿の実が実るころになった。近所の庭でも良く見かける風景である。しかし残念ながら食用にされることは少ないようである。原発事故以降、熟した実は大概は自然に落下したままである。これも放射線物質のせいである。この地方の柿は渋柿で、干し柿にして保存食として食べられるのが普通である。しかし福島県の一部では、干し柿からは基準以上の放射線物質が検出されている。干せば当然セシウムの含有割合は増えるから、そうなりやすいのではあるが、これでは食用にはできない。だから干し柿作りは規制されているのだ。もちろん基準値以上のものは流通しないような措置が取られている。

 プロの農家が作るものでさえそうなのだから、一般の家庭の庭先で自然にできた柿は怖くて食べられないのが普通である。だから冬になるとあちこち柿が散乱しているのだ。

 私の庭には柿はないが、梅、アンズ、梨、ブルーベリー、スモモなど食用の果物は植えてある。いざ飢饉になったに備えて食用の庭木を多数植えているのである。これが食べられないと経済的にキツイ。大体果物はスーパーで買えば値段がすごく高いのだ。もちろん本当に飢饉になったら、放射線など気にせず食用にするけれど。チェリノブイリでは経済的に苦しくて森の木の実やキノコを食用にしたことが、悪い影響を及ぼしているという話も聞く。日本でも経済危機や食料危機にならないことを望む次第である。



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