線量計を買った


 原発事故から1年ほどたって、少しは精神的に落ち着いてきたので、我が家と周囲の放射線量を詳しく知りたいと思うようになった。市の広報誌などから、大まかには毎時1μシーベルトぐらいだとは分かっていたけれど、実際スポット的に放射線量が高い場所があると困るなと思ったからである。しかし精度の高い測定器は値段が高い。10万円以下ではあまり性能は期待できないと言われていたので、ちょっと考えてみた。

 精度が良い測定器の意味があるのかな。大まかには自分の地域の放射線量は分かっている。それならば、極端に高いところがあるかどうかさえ分かれば良いのではないか。極端に高いところがあれば、市に相談して精密に測ってもらえば良い。ということで安いもので十分だという結論になった。そこでインターネットで調べてみると、約1万円の物が市販されている。ロシア製で低い放射線量は測れない。大体1μシーベルトぐらいを測るように設計されているようである。うん、これで十分だ。0.1μシーベルトが測れる必要がない、健康上問題になる値ではないから。でもって早速注文したのであった。

 入手して家の中を測ってみた結果、大体予想通りの値だった。家の中は0.3から0.4μシーベルトで2階がやや高めだが、どの部屋も大差なかった。ただ家の中から、壊れている雨樋に精一杯近づけると0.8μシーベルトある。壊れていない雨樋の近くでは0.4μシーベルト、やはり高い。放射性物質が溜まっているようだ。でも1メートルも離れると、ほとんど影響はない。実生活上支障とはならないので安心した。(もちろん事故前は一桁低い値だったはずだが、非常時ということで当面我慢するしかない)

 家の外では、土の庭上では0.6から0.7μシーベルト。道路上も同様だった。我が家の地域では、道路上の放射線量は公的機関が車で移動品しながらくまなく測定している。その値とほぼ同じであるので、1万円の測定器でもそんなに精度が悪いわけではないようである。そもそも絶対的な精度を求めているわけではなく、相対的なものが分かれば良いので安物でも結構役に立つようである。一般的に言えることではあるが、高さ1メートルで測ると、学校の校庭のように広い場所では放射線量は高く、一般家庭の庭では低いのである。屋根や道路に降った放射性物質が多少なりとも下水に流れてしまうからである。



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