地震発生 |
2011年3月11日午後2時46分。巨大な地震が発生した。いわゆる東日本大震災の始まりである。そのとき私は、福島県郡山市の病院のベッドに横たわっていた。当時鬱病の治療のため週一回通院していたのであるが、腰の具合も悪かったので、ローラー付の機械式マッサージベッドで腰を揉んでいた最中であった。病室は3階にあり、建物は鉄骨造りであった。ただ揺れやすい造りのようで、人が歩くと揺れを感じる時があるので、地震の時は大丈夫かなと普段から感じていたけれども。 最初揺れ初めのころは、結構大きな地震だなと言う程度の感覚でしかなかった。福島県は大きな地震が少ないと言われていたし、地元では旧国名、磐城岩代の国が文字で示すように、地盤が岩で出来ているから地震に強いと思い込まれていたから、そんなに気に留めなかったのである。 それが突然強烈な揺れに変わって、これはただ事ではないと思った。棚から物は落ちてくるし、なんと横になっていたベッドが一メートルほどずれてしまった。強烈な揺れは3回きた。その間も大きな揺れが続いていた。いっこうに収まる気配が無い中、こんなことで死にたくないと思った。建物が潰れたら危ないな、助からないかも、そして停電。何も出来ないまま、ただベッド脇に下りて耐えるしかなかった。実際大きな揺れが何分間続いたのかわからないが、すごく長く感じられ、30分ぐらいは揺さぶり続けられていた感覚であった。 その後一応揺れが収まっても余震が断続的に続く中、はて震源地はどこなんだろうと思ったがわからない。とっさに携帯電話に情報が入っているかも知れないと思いつき、携帯電話の画面を見てみると緊急地震速報が載っていた。なんと震源地は宮城県沖となっている。そんな馬鹿なと思った。これまでの宮城県沖地震の揺れとは全く違うからである。これは絶対福島県沖だと思った。しかし太平洋沿岸に巨大津波が押し寄せてくるとは全く頭の中には無かった(内陸部なので津波で被害を受けることは無いから)。そして、このまま病院にいてもしょうがないから、家に戻ろうと病院を後にした。薬局もそれどころではないだろうと思い、処方箋ももらわずに。 |
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