せめて3月末まで



 3月18日に何とか娘に送金したのであるが、後もう一つ大事なことがあった。それは授業料である。次年度の授業料、前期の分を3月末〜4月末までに払わなくてはならない。いつも3月25日ごろに振込用紙が届くのだ。なんとしても振込用紙を受け取って、振込みをしなければならない。3月末までは避難命令は出て欲しくなかったのだ。
 数日後待望の振込用紙が送られてきた。そしてさあ銀行に行こうと思った矢先、思わぬアクシデント。みずほ銀行がシステムダウンして振込みが出来ない。これには参った。システムダウンが解決するまで、とてもやきもきしたのである。
 それでも何とか振込みが無事終了し、本当にホッとしたのであった。自分が出来ることは出来るだけやった。あとは運命に従うしかないという感じだった。

 娘は春休み中ずっと東京にいた。私は娘には帰ってくるなと電話した。表面上は新幹線が不通でその他の交通機関も当てにならないから、途中で立ち往生しては困るからだと言ったが、本音は多量の放射線を浴びさせたくなかったからである。娘が帰ってきたのは6月になってからだった。

 こういう経験をした人は私以外にも沢山いたであろう。政府や学校が、被災者や被災の恐れがある人の子弟には無条件に生活資金や就学資金を貸し出すということを早々と発表したら安心だったのにと今では思う。お金があっても送金できなければ、子供の学生生活が立ち行かなくなるからである。



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