使用済み核燃料の取り出し



 2013年11月末になってようやく4号機の使用済み核燃料の取り出しが始まった。水素爆発で建屋が大きく損壊し、さらに使用済み核燃料が1300本以上あり発熱量が他の炉の何倍もあるので、冷却不能になった時の大事故が懸念されていた。燃料プールには耐震補強がなされたとは言え、あくまでも応急処置。巨大な地震に持つかは分からない。燃料プールの大きな水漏れや、崩壊・破損が起きたら3.11の時よりはるかに大きな事故になる可能性が指摘されていたのである。セシウムの量は使用中の核燃料よりずっと多いし、青天井で遮蔽物がないから。保護管の損傷、最悪メルトダウンになったら、60キロ離れていても逃げるしかないな。
 3年近く経って発熱量は大分下がって来たと思われるが、プールに水がなくなったらどうなることやら随分心配したものである(今でも心配だが)。発熱さえなければ、いや保護管が損傷しなければセシウムが出てくることはないと思うけれど、素人にとっては良く分からない。まあ一説によると水がなくなっても自然空冷で冷やされるようだが、人は近づけないだろうな(水による放射線遮蔽効果が期待できないし、それに熱いし)。

 移送先は近くの共用保管プール。これが既に何千本も使用済み核燃料をため込んでいるから、安全なのかなと思ってしまう。確かに地震に対しては4号機よりは強いと思われるが、一か所に何千本も保管するというのがどうも気になるな。年数が経った一部の使用済み核燃料は発熱量が少ないので、空冷式の容器に入れてほかの場所に移して空き場所を作るのだが、他に場所がないからどうしようもない。建物にしっかり屋根があるだけマシか。


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