鉄筋コンクリート



 今回の地震では一般の木造住宅の被害は屋根瓦以外ほとんど見られなかったが、鉄筋コンクリートの建物の被害が結構あった。さすがに最近建設された建物は何ともないが、古い鉄筋コンクリートの建物では特に公共建築物での被害が目立った。郡山市役所、須賀川市役所は使用不能。福島県庁も一部使用不能。学校関係も結構建て替えを余儀なくされている。公共建築物なので、まさか手抜き工事はないと思うが、それだけ揺れが大きかったということなのだろう。地震の揺れの周期がちょうど建物の固有振動周期と重なっていたという指摘もある。だからボロイ木造家屋が意外と何でもなかったようである。確かに地震後取り壊された古い木造家屋を何軒か見たけれど、柱や壁は何ともないみたいだった。もっと細かい振動なら逆に木造家屋に被害が集中したのであろう。
 ということで、鉄筋コンクリートだから大丈夫だと思い込むのは危険である、特に古い建物では。逆に木造のほうが安全と思うのも早計である。今回の地震ではたまたまそうだったということで、直下型の地震では逆の結果が出るかもしれない。

 なおこの文章を書いている最中に、中央自動車道の笹子トンネル天井板崩落事故が起こった。やはり過信は禁物である。古い建物のみならず、道路、橋、トンネル、すべてにおいて、あらかじめ対策をとっておく必要がある。地震になって道路が使えないのは、復旧や市民生活に大きな影響を及ぼすからである。


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