余震が続く



 余震は本当に頻繁に発生した。しかも長期にわたって。毎日毎日震度4クラスの余震。テレビをつけていると、しょっちゅう緊急地震速報が流れる。地方局(福島)の民放アナウンサーは、ずーと長い間ヘルメット姿で放送していた。一年経っても余震は収まらない。これまでは大地震と言われても、大概数ヶ月で収まるものだが。最近一年半以上経ってようやく有感地震は大分減ってきたが、それでも全国的に余震や誘発地震は毎日起きている。それだけ規模が大きかった地震だということか。これからもしばらく続くのは確実だ。
 
 余震の中で一番怖かったのは、約一ヵ月後におきた震度5の地震だ。日を置かず3回立て続けにおきたから、これから先どうなるんだと思った。原発の冷却も一時止まったりして、あれは怖かった。なにせマグニチュード7クラスの地震が余震だというのだから、心配事は絶えない。マグニチュード8クラスの余震もありうるなんて地震学者が言うからことさらだ。まあ、あまり地震学者の言うことは信用ならないけれど、ともかく用心に越したことはない。
 
 だから余震が多かった時期は、夜もパジャマに着替えないで普段着のまま寝ていた。いつ逃げ出せても良い様にと思って。当然枕元には懐中電灯とラジオ。今でもそうだが。
 石油ストーブにも気を使った。トイレに行く時は必ず消していた。余震が起きると直ちに消せる体制に入る。ガス調理も同様。火がついている間は、決して目を離さなかった。まあ最近の設備は大きな揺れでは自動的に火は消えるようになっているので、かえって何もしないほうが安全と言われているけれど(でもどういうわけか我が家のガスメーターは地震で遮断しなかった。使用中じゃなかったからだと思うが)。
 地震保険に入っていなかったから火事が一番怖いのだ。福島県は日本一大きな地震が少ないと公表されていたのは嘘だった。

 余震以外でも誘発地震が目に付く。大きな誘発地震が起こると困るなと思いながらも、こればかりはどうしようもない。いつまた大地震が起きてもいいように、日頃から備えておくしかない。

 余震が怖いのは一つには本震を思い出すからなんだろうな。揺れだけじゃなくてその後の混乱も含めて。二つ目は本震でダメージを受けた家が壊れるんじゃないかという思い。一度ダメージを受けたものは、それなりに弱くなっていると考えるのが普通だから。またひょっとして最初の地震は前震で、これが本震だったらどうしようという思い。マグニチュード9が前震なら、本震はもっと大きいはずで、こうなるととてもじゃないが恐怖を超えている。


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