家庭菜園ができない


 原発事故の影響で家庭菜園ができない状態が続いている。もちろん近所の農家では米や野菜を作って、規制値以下の放射線レベルなので(と言うより基本的に放射性物質は検出限界以下である)、家庭菜園で野菜を作っても問題にはならないとは思うのだけれど、素人の栽培方法ではやはり不安なのだ。福島県の農家は必死になって放射線低減対策を行っているし、県でも様々な指導をしている。肥料の施肥の仕方、土の耕し方、資材の管理、セシウム吸着材のゼオライトの使い方等、それに何より放射線物質の測定体制がしっかりしているので、農家が作って販売している作物については、まず問題はないのである。

 しかし私のような素人ではどうしようもないのだ。放射線物質の測定ができれば問題はないのだけれど、少量のものを検査するのは大変なのである。検査装置を買うわけにもいかず、委託するのも面倒だ。結局家庭菜園はあきらめている。

 おかげで食糧費がかさんで家計に響く。特に今年(2013年)の夏は野菜の値段が高かったからこたえた。それに取れたての新鮮なものが食べられなくなって、若干ストレスは増えた。気分転換の上でも家庭菜園は役に立つのだが、それもできない。代わりに花などを植えたりしているが、これも金がかかる。

 こういうところまでは東京電力は補償はしてくれない。そもそも賠償請求をするにしたって、賠償金額の算定に膨大なエネルギーを使うから、結局は泣き寝入りである。



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