阿武隈水系の氾濫


 2019年の台風19号で阿武隈川が氾濫し、多くの被害者を出した。実は阿武隈川は昔から氾濫が多いことで知られていて、39年ほど前にも大きな被害を出しているのである。小さな被害は数知れず。そのためずいぶん対策を講じてきたのであるが、例えば遊水地を作るとか、支流にダムを作ったり、それなりの対策はしてきたのである。だからこれのどの洪水被害が出るとは思ってもいなかったのである。確かに台風当日はそれなりの雨量はあったものの、自分の感覚ではこの程度では大したことは無いだろうと思っていた。
 しかし翌朝になると阿武隈川、そしてその支流で大きな水害が発生してしまっていた。幸い我が家は高台にあるので、水害の恐れはないのだが、携帯電話にはしょっちゅう防災のエリアメール鳴り響いていた。
 水害、特に床上浸水は大変である。自分も一度床上浸水の経験があるので、とても気の毒な気持ちになった。また工業団地が水に浸かって、操業不能。機械も廃棄せざるを得なくなり、経済的な損失は計り知れないと思われる。
 さらに困ったことに、バス会社(福島交通)の支社が水没し、90台以上のバスが使用不能となって、路線バスはほとんど運休状態が続いた。ほかの営業所なりからかき集めて、何とかしのごうとしているがそれでも足りず、何か月も経っても、いまだに運休中の路線がある。支社もともと川沿いの低地にあるので、洪水が予想されるときは高台にバスを移動させることになっているようなのだが(そのため近所の工場や市と協定を結んでいたはずなのだが)、真夜中の急激な増水で間に合わなかったようだ。予めバスを移動させておけばよかったのにと思う。

 来年以降もまた大きな台風は来るだろう。でもこのままじゃまた同じような被害が起きてしまう。なんか思い切った対策を取らないとまずいんじゃないか。もう相当大規模な遊水地を低地に作る、そのためには農地や住宅地はある程度強制的に買い上げるしかないんじゃないのかな。しょっちゅう水害に逢うのなら、移転して高台に移る方が良いだろう。  



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