生きているという事


 生まれてから60数年間、ずっと生きて来たんだな。いや生まれる前の10か月ほども生きていたんだな。そんなことを考えると、とても不思議な気分なのです。だれでも生きているのは当たり前でしょうが、人間自分一人で生きていけるわけではないのです。必ず生きていくのを助けてくれた人がいたから、今生きているのだと思うのです。親兄弟親戚は言うに及ばず、社会的にいろんな手助けがあったのです。もちろん直接命に係わるお医者さんなどだけではなく、経済的にも、心情的にも、精神的にも直接間接を問わず沢山の人に助けてもらって生きてきたのです。確かにこれまでの人生の間で、失望、挫折、多くの病気、失業、経済難、悲観絶望、いろんなことがありました。しかし最終的にはなんとか生き延びてきたのです。まさかここまで生きてこられるなんて。正直言って私に老後があるなんて、ほとんど考えてこなかったのです。ともかく60歳まではなんとか生きよう。その後はもうどうなるか分からない。本当に想像外だったのですから。
  



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