カレンダー


 私の部屋のカレンダーは特殊である。何と20年カレンダーなのだ。1995年に、ある食材屋さんからもらったもので、毎年貼りかえる必要がないので便利である。といっても字が小さいので、読みにくいのが難点ではあるが、本年は2004年、もう真中ぐらいの位置になってきた。

 概して日本人はカレンダーが好きである。やはり農耕民族の血が濃いのであろう。最近は不景気であまりカレンダーをくれる会社は多くはないようだが、昔は処分に困るほど貰ったものだ。写真がきれいなのは、カメラメーカーのカレンダーと相場が決まっていた。

 さてカレンダーにもいろんな種類がある。まず、日めくりのカレンダー。大体その日の格言か何かが書いてあって、まあ楽しい。不精な人には向かないが、お年寄りには好まれそうだ。次に一ヶ月ごとのカレンダーがある。そして二ヵ月ごとのカレンダー。これは意外と使いやすい。そして一年が一まとまりになったカレンダーである。
 よそから貰うカレンダーには大概その会社の名前が入っている。そしてそれがデザインの一部となっているので、会社名を切り離してしまうとバランスが悪くなってしまう様に出来ている。やっぱり、商魂はたくましいものだ。コマーシャル付の無償配布物としては、最高の傑作ではないか。

 私の20年カレンダーは、気持ちがイライラした時に眺めるのに向いている。気分が大きくなるのだ。こういう効用は捨てがたい。成人式の記念品としても適しているように思える。

 20という数字は、日本人には大きな意味があるようだ。昔から20歳のことをはたちと言う。にじゅっさいとはあまり言わない。2倍の40歳になれば不惑だし、3倍の60歳になれば還暦、定年である。人生は80年。100歳になれば万万歳だ。究極は120歳。そこが人間の限界らしい。

 最近はパソコンの中にもカレンダーが入っているので、部屋の中にカレンダーがなくても不自由することはない。けれども精神安定のためには、部屋の中にきれいなカレンダーがあったほうが良い。単なる風景画とは違う風情がある。


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