学校でスキー


 冬、小学生の時は、学校でスキーをやっていた。スキー学校ではない。正規の授業でスキーをやっていたのである。青森だからね。

 まずは校庭にスロープを作る。これは上級生がやる。といっても難しいことではない。校庭の雪を集めて、簡単なスロープを作るのだ。雪は有り余るほどあるから、人海戦術でやれば簡単にできるのである。なんてったって積雪1メートルだから。

 それでもって体育の授業でスキーをやるのである。生徒全員がスキーを持っているわけではないから、学校には沢山のスキーが常備されていた。
 私はあまりスキーは得意ではなかった。もともと体のバランス感覚が悪い性質である。だからほとんど上達しなかった。大概みんなの後ろの方を、歩いて校庭を一周するくらいで、ほとんどスロープではすべらなかった。青森のスキーはすべるより、歩くのが基本だから、これでも良かったわけだ。

 それでも中学・高校ともなると、近くのスキー場へ連れて行かれて勝手にすべろと言われる。帰りはスキー場のふもとまで降りてこいだ。まいったね。それでも転ばずに何とか降りてこれたのだから、やっぱり小学校の授業が役に立ったわけだ。

 街中にもスキー場はあった。それは野球場だ。外野席そのものがスロープなのだ。これは嘘ではない。今はどうか知らないが、昔はそうだったのである。何てったって豪雪地だもの。

 スケートはやらなかった。積雪地帯ではスケートは無理なのである。スケートが盛んなのは、むしろ太平洋側である。平らなところに水を撒いておけば、自然にリンクが出来上がるから。


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