久しぶりの庭仕事


 もうすっかり春だ。今年は例年にも増して早い春の訪れである。庭では桃と杏の花が咲きかけている。遅咲きの梅は散り始めた。桜はまだだが、春の陽気に誘われて庭仕事をする。昨年秋以来の力仕事である。
 
 庭仕事の最初は剪定枝の片付けである。去年の秋に庭木の剪定を行ったのだが、体力が続かず枝を切りっぱなしで、冬中ほったらかしにしておいた。見苦しいので、何とかしなくてはならない。市の規定では剪定枝は燃えるゴミ扱いなので、細かい枝は袋に詰めて出し、太い枝は束ねて縛って出す事になっている。結構腕力が要るものだ。
 これが終わると秋にやり残した剪定の続きをしなければならない。剪定というのは、狭い庭でも結構しんどいのだ。枝を切るだけなら簡単だけど、その後片付けが面倒で、力仕事なのである。
 その後は、枯草の片付け、腐った支柱の片付け、雑草・雑木の除去など、いろいろある。

 2日やったところでダウン。体がいうことをきかなくなった。いたるところの筋肉が痛い。起きて歩くのも痛くてしんどい。おまけにおなかを壊す、寒気がする。体力をすっかり消耗してしまったようだ。気力もすっかり失せて2〜3日寝込む。情けない話である。

 これがいつものパターンである。少しずつやればいいものを、一気に事を済ましてしまおうとするからいけない。しかし、どうしてもこうなってしまうのである。その理由は簡単である。

 継続してコツコツとやれる自信がないからである。天気が悪い日、体調が悪い日、気力がない日、こういう日は庭仕事はできない。だから天気が良くて、体調が比較的良くて、何とか気分的にもマシな日になると、一気に片付けようとするのである。この機を逃したら次いつできるんだ、と、まるで千載一遇のチャンスとばかりに。

 庭仕事以外でも、大体がこの調子である。特に気力は波が大きいから、良い波が来るのを待ち構えて、その時をとらえて、一気にやる。まるでサーフィンである。これじゃあ、まともな日常生活などできるわけがない。悪い波の時は、ひたすら何もせず耐える(というか、ほとんど何もできないだけ、と言おうか)。

 それでも何とか生きてこれた。それは、いつか春が来る事を庭が教えてくれていたから、だろうか。


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