男の晩ごはん


  家に居ることが多いので、栄養のバランスや経済的な面を考えて、自炊を心がけている。料理というものは、手をかければかけるほど創造的なものが出来上がるのだが、そこは男の料理。手間ひまかけずに実質オンリーで作業を進めるのが常である。
 
 まずは煮込み料理。肉や魚、野菜類、それに有りあわせの物を何でも鍋にぶち込んで煮る。これが基本である。煮る時間を節約するために、電子レンジも併用する。味付けはその日の気分によって変わる。カレールーを入れればカレースープになり、シチューのもとを入れれば、ビーフシチューにでも、クリームシチューにでもなる。味噌仕立てにしても良いし、醤油仕立てにしても良い。キムチのもとを入れてキムチ鍋も楽しい。
 次におひたしである。青みの野菜が足りないと思った時はよく作る。単に菜っ葉類をゆでるだけだから、楽なものである。ゆで立てはとてもおいしい。余ったら次の日にまわすため冷やしておくが、暖かい方がおいしい場合が多い。
 たんぱく質が足りない時はどうするか。魚の缶詰という手がある。大概生で買って調理するより安いことが多い。一缶100円でさばの味噌煮が手に入る。いわしでもさんまでも似たようなものだ。豊漁の時まとめて作るから安いのだそうだ。
 後は納豆、生卵をご飯にぶっかけて大概は用は足りる。実に簡単な食卓である。食器も2〜3個で済むから、後片付けも楽なものだ。

 酒は毎日ではないが、飲む時は日本酒かウイスキーが多い。銘柄にこだわる方ではない。と言うか、こだわるほどの余裕はない。安くてそこそこの味のブラックニッカを好む。気分が落ち込んでいる時は、ブラック日課となる。そう言えば、ブライトオーシャンと言うウイスキーもあったなあ。こちらは調子が高い時によさそうだ。無頼徒オーシャンだから。

 お米はコシヒカリは食べない。今年はべらぼうに高いからだ。今食べているのはひとめぼれのブレンド米である。福島県特産のふくみらいも良い。栽培が始まったばかりなので、古米がなく、新米ばかりというのも魅力的だ。味も悪くはないし。
 無洗米も試してみた。しかし味はいまいちだったなあ。私は小さい頃、家の手伝いでガスを使ってご飯を炊いていたので、米研ぎは苦にならない。無洗米でなくても良いのである。

 デザートは今年も青森の実家からりんごを送ってきたので、なるべくそれを消化するようにしている。子供の頃、大きなりんご箱で冬中おやつ代わりに食べていた頃を思い出す。当時の品種は国光、今全盛のフジの親だ。青森ではゆきのしたと呼んでいた。その他真っ赤な紅玉、甘いインドりんご、デリシャスなどもあった。今ほとんどお目にかかれないのが、残念だ。
 


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