誰もわかってくれない |
誰もわかってくれないと嘆いているあなた。そんなに嘆きなさんな。 でも、そう言わないでください。 誰もわかってくれないなんて、悲しいじゃないですか。 私は、わかって欲しいんです。 まあまあ、その気持ちはわかるけど、しょうがないんだよ。 誰にもわからないものなんだよ、人の心は。 そんな。そんなに薄情なんですか、世の中って。 いや、そうじゃないけどさ。簡単にはわからないものなんだよ。人の事は。 そうは思わないかい。 でも、わかって欲しいんです。少なくても、あなただけには。 あなたならわかるでしょう、私の心の中が。 うーん、きっと辛かったんだね。辛い思いをしたんだね。 人生で一番辛い思いをしたんだね。きっとそうだね。 ああ、わかってくれたのですね、私の心。 いや実は、あまりわかってはいないのだ。ごめんね。 だって自分自身のことでさえわからないんだから。 えっ。 そうなんだ。自分自身でもわからないんだ、自分のことが。 だから、人のことを全部わかるわけはないのだ。 そうなんですか? じゃあ、そういうあんたは自分のこと全部わかっているのかい。 いやー、そう言われれば自信がないなあ。 そうだろう。そういうものなんだよ、人間って。自分のことさえわからないものさ。 だからまず、冷静に自分自身を見つめて、心の中で自分の自画像を描いてごらんよ。 そうすれば、少しはすっきりするさ。 はい、でも、なかなかうまくいかなくて。やっぱりわかって欲しいのです、私の心。 ああ、そうかそうか。それじゃあこうしよう。 私はあなたの心の父である。 事情は良くわからないけれど、無条件であなたを受け入れよう、無条件で。 それであなたがの心が晴れるのなら、喜んであなたの父になろう。 なんか神様みたい。 な、な、神様だなんてそんな。ただ私は、あなたを認めたいと思ったのさ。 辛いってことだけは良くわかるから。 で、本当の神様は何処にいるんでしょうね。 それはきっと、あなたの心の中にいるんだと思うよ。 |
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