顔に責任はもてない


 私は顔面神経麻痺である。以前よりはマシになったとはいえ、顔左半分は自由に表情を作れないのだ。鏡を見るたび笑顔をつくろうとしても、引きつった顔があるばかり。力を入れ過ぎると、顔の筋肉がつる、これは痛いんだぞ。だから娘には、今まで一度もまともな笑顔を見せたことがないのだ。娘には、ちょいとかわいそうな気がしている。本当の笑顔を見せてやりたいな。

 さて、40過ぎたら自分の顔に責任を持てと言う言葉がある。顔面麻痺患者には酷だよ、この言葉。好きで病気になったわけじゃあるまいし、責任持てと言われても困る。世の中には、自分で自分に責任持てないことだってあるんだよ、わかるだろう。

 ま、ぼやきはこのぐらいにして日本人の顔について考えてみよう。日本人はおおむね東洋人であるが、結構バラエティに富んでいる。地域差もかなりある。青森にいたころは、目が灰色っぽい人や、色白の人も、周りにはいたからね。
 若い時、東海道本線を鈍行で旅行した際、岐阜県から滋賀県に入ったとたん人の雰囲気ががらりと変わって、同じ日本人かと驚いたこともあったなあ。北陸本線で富山県から新潟県に入ったとたん、ああ青森と同じだと懐かしかったこともあった。
 昔から縄文人が住んでいたところに弥生人がやってきて、それからまた朝鮮半島から帰化人がやってきたんだから、当然だろう。彼らも、その昔はどこにいたかは良くわからないから、結局のところ、日本人はアジア各地の寄せ集め混合民族ということらしい。中近東の人の血も入っているらしい。だから決して単一民族ではないことは確かである。最近の学説ではそうなっている。

 世界中見ても、単一民族なんて国はまずない。ある方が不思議である。中国でも中華民族なんていっているが、実態は北方南方諸民族の混血、混合である。歴史を考えれば当然である。

 顔のつくりなんて、遺伝で決まるものだから、卑下することも、高慢になることもない。整形などは先祖に対する冒涜だから、よした方がいい。べつに鼻が低かろうが、目が一重だろうが問題じゃないね。
 それよりも、心が顔の表情に現れるから、心がけを大事にしなさい。上品な人は上品な表情になるものなんだから。顔面神経麻痺をのぞいてはね。


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