不幸はまとめてやってくる


  よくもまあ次から次へと病気にかかったものだ。顔面神経麻痺、突発性難聴、鬱病、これだけでも十二分に苦しませてもらいましたよ、他にも病気抱えているけどね。しかしこれらは全部首から上の病気ではないか。どうも私は首から上が弱いらしい。頭の中身も弱いのかもしれないが、それはさておき、一つの病気が治りきらないうちに次の病気にかかるのだから、悲劇だ。不幸はまとめてやってくるとはこのことだ、これを弱り目にたたり目という。やっぱり最初の病気を徹底的に治さないで無理するから、次の病気にかかるんだと思う。無理はしたくないんだけれどね、それでもやれといわれりゃやるしかない。また病気になって、ああ無理したんだなあと思うけれど、時すでに遅し。苦しむのは自分ばかりで、やれと言った人は責任とるわけではないし、結局おまえには無理だったで済まされる現実は何とかならないのかと思う。
 
 こうして労災は発生する。しかしこの手の労災は絶対に会社は認めないものだ。なんたって死んでもほとんど過労死は認められない社会なんだから。大体真面目に1日8時間も仕事をすれば、もういい加減くたびれるのが普通だと思うけれど、それに残業だ、サービス残業だで健康を害さない方が不思議である。サービス残業など完全に違法だ。本当に日本の労組は何をやっているのだろう。労働者のための労組じゃないのかな、日本の労組は。会社の第二人事部と言われるようじゃ、始末に悪いわな。
 確かに雇用を守るのに精一杯だと言いながら、リストラ首切りには反対しないし、会社の存続のみが優先されている。結局これは日本の労組が会社毎の労組で、全国的な職能別の労組になっていないことに原因がある。会社がつぶれりゃ労組もつぶれる、だから会社の方針に従いますだからしょうがない。
 
 まあ、リストラで去るも地獄、残るも地獄と言うけれど、私の様に病気で辞めた人間が一番地獄である。何たって食う当てがないんだから。治療費もかかるし。病気が全て仕事のせいだというつもりはないけれど、労組で少しは面倒見てくれてもいいんじゃないかと思う次第だ。会社の労組でとは言わない、連合で何とかしてくれないかと思うよ。でももう労働者でないから関係ないと言われるのだろう。生き残った人のための組合であって、病気で労働できなくなった人はもう知らない。こうして弱者は益々弱者になっていくのだ。病気だけでも苦しいのに、これに経済苦が加わるんだから、たまらないなあ。病気失職保険というのはないのだろうか。政府は考えてくれ。
 
 じゃあ何で会社辞めたんだと言われそうだが、当時としてはしょうがなかったんだね。根が愚直で純粋だったから、会社への義理だったわけだ。


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